「野菜を知ろう」シリーズも50回で最後にし、畑作業の基本事項を列挙します
(1)畑の土づくり
畑の土を良くするには腐葉土や堆肥等を入れて耕し、ふかふかの団粒構造の土にします。
(2)酸度調整
土壌の酸度は、一般にpH6.0~6.5の微酸性が野菜の生育に適しています。日本の土は酸性に傾いていますので、苦土石灰等を散布し耕し酸度調整が必要です。
(3)種まき
種から育てる場合、蒔き方は野菜にふさわしい方法を選びましょう。
畝全体にまく「ばらまき」、条状にまく「条まき」、一定の間隔でまく「点まき」等。
例えば、コマツナやホウレンソウは「条まき」、ダイコンは「点まき」です。
(4)間引き
畑に直まきした野菜が発芽した後は、生育の悪い株や病気や害虫の被害を受けた株を抜く「間引き」作業を数回に分けて行います。
健全な株を残し、最終的にその野菜に合う株間にします。
(5)植え付け
種ではなく、苗を畑に植え付ける移植栽培の場合、畝に植え穴を掘り、たっぷりと水を注ぎます。水が引いたら苗を植えつけ、土を軽く押さえて再び水をやります。
野菜の種類にふさわしい株間をとることがポイントです。
(6)支柱立て・誘引
果菜類に属するウリ科(キューリ、ゴーヤ等)、マメ類(インゲン、エンドウ等)、トマト、ナス、ピーマン等、蔓が大きく伸びる野菜や、実をつけると重みで倒れる野菜には支柱を立てます。
茎や蔓を支柱やネットに絡ませることを「誘引」といいます。支柱に誘引することで収穫がしやすくなり、風通しが良くなって病気や害虫の発生が減り収穫が多くなるなどの効果があります。
(7)整枝
整枝は、野菜の生育を調整し収量を高める技術です。
茎の先端を摘みとる「摘芯」や茎のつけ根から出るわき芽を摘み取る「わき芽かき」等があります。整技は、その野菜の着果習性を良く理解することが必要です。
(8)追肥
野菜の養分吸収量は、株が小さいうちは少なく、育つに従って徐々に多くなります。
そこで、生育に合わせて数回に分け、肥料分を追加していきます。追肥の時期や回数は野菜の種類によって異なるので、タイミングを良く知って行うことが大事です。
追肥作業と同時に行うと良いのが「中耕」と「土寄せ」です。
「中耕」は条間や畝間を軽く起こすことにより、土の中に酸素を入れて通気性を良くします。「土寄せ」はほぐした土を株元に丁寧に寄せて、株の倒伏を防ぎます。また、雑草を防ぐ効果もあります。
(9)受粉
果菜類は、花をしっかり咲かせて実をつけさせないと、果実を収穫できません。
スイカやメロンなど雄花と雌花が別々の野菜では、花が咲いたら授粉の手助け(人工授粉)をした方が実のつきが確実です。
カボチャやズッキーニなどは虫が授粉してくれますが、人工授粉することもあります。
(10)収穫
野菜や果実ごとに収穫に適した大きさの目安があります。収穫適期を逃がすと風味が損なわれるため、早めに収穫しましょう。
(2022.9.19)
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