第26回映画鑑賞会を下記の通り開催いたしました。
■鑑 賞 日 時: 2022年12月13日(火)12:45~15:10
■上 映 館: 新宿ピカデリー
■映画の題目: 「ラーゲリより愛を込めて」(ノンフィクション映画)
原作、監督、キャストは「第26映画回鑑賞会の案内」の通り。
■鑑 賞 者:荒井、荒木、井垣、伊藤(徹)、大島、瀧川、比留間、若林、鈴木
(敬称省略、9名)
映画を観て
日本の第二次世界大戦の終戦は1945年8月15日であるが、その後もソ連は日ソ不可侵条約を一方的に破棄して満州、朝鮮半島、樺太などで日本の軍人を捕虜として極寒のシベリアの収容所に送り込んだ。
この映画は捕虜が収容所に送り込まれて冬場は時には零下40度、通常でも零下20度という極寒の過酷な状況下で重労働を強いられるなか、捕虜の一人である山本幡男(東京外語大ロシア語科卒)を主人公とした原作「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」(ノンフィクション)を 映画化した作品である。
内容は大きく分けると、山本とその妻、子供たち(4人)との家族愛と収容所での過酷な日常の二つが描かれている。
ハルピンで暮らしていた山本の家族はソ連の空襲が激しくなり妻、子供を日本に帰国させ、帰国後に妻は前職の小学校の先生となる。一方、山本は出兵しソ連の捕虜となり収容所では語学を生かしソ連兵との通訳係をしながらも時にはスパイ容疑でソ連兵から数回痛めつけられたりもした。同僚には日本に必ず帰国できると鼓舞し続けたが、自身は癌を患い帰国も儘ならず、同僚の勧めでノート4ページに遺書を書き残し家族のことを思い浮かべながら病院で息絶えた。遺書は収容所内でソ連兵に見つからないようにと、同僚4人が1ページずつ全文暗記して日本に帰還後、個別に山本家を訪れ家族5人全員の前で伝えた。(私は涙を誘われた)。
一方、収容所での捕虜の日常は1日一食(朝支給)で黒パン1枚にスープのようなものだけの食事。極寒の中で丸太担ぎなどの過酷な労働に耐えられない人はその場で倒れ、また日本人同士が軍隊当時の上下関係をソ連兵から利用され上位者からの体罰や虐め、収容所生活に耐えられず脱走しようとするがソ連兵の見張りに見つかり銃殺されその遺体を土に埋める作業を強いられている。
よほど強靭な精神力と体力を持ち合わせていないと生きていけない境遇であったと思われる。
この映画を観て最近のウクライナとロシアのテレビ画面でのウクライナ民間人被害者の姿と重なり、いかなる理由があろうと戦争は絶対におこなってはならないと痛感させられました。
感想会(懇親会)
・場 所:大陸(中華料理)歌舞伎町=靖国通り
・時 間:16:00~17:00
・出席者:8名
・経 費:¥17,880(回収=¥2,200×8名=¥17,600)
【今回繰越=¥3,100(前回繰越)-¥280(今回不足分)=¥2,820】
(2022.12.13 鈴木記)
この映画の主人公の長男である山本顕一立教大学名誉教授は、実際の父親はこの映画に出てくるような穏やかな人ではなかったことや、収容所の仲間たちが手分けして遺書を暗記し家族に届けたことなど、文藝春秋2月号に書いてます。