第2回読書の会 報告

◆開催日=2025年7月27日(日)
◆会 場=小平市 美園地域センター

「読書の会」第2回の会合を行いました。
今回は夏目漱石さんの『夢十夜』の読後感想を中心に進めました。夢物語という形式をとった十編の短編で、場面設定も神代の昔から執筆当時(明治)と年代に幅があり、心温まるもの、情念を感じさせるものと話しの内容も多彩な作品です。

小説は作品を通してテーマがあり、それも比較的わかりやすく描かれているものが多いので、『夢十夜』はどの作品も「夢」の話だから「オチ」がないことに戸惑った、という皆さんの感想でしたが、心に残った話を語り合っていくと、「第五夜」の戦に負けた武将が、討たれる前に恋人を呼び、彼の元に急ぐ恋人の道中に横やりが入り、崖から転落してしまい武将に会うことができなかった話に集中し、「明治時代に『恋』を語る作者の目の付け所は斬新だ」「馬に乗るのは難しいのに、裸馬を操って夜道を走るこの女性は並みの人ではない」「女の道中を邪魔した『あまのじゃく』は、表記が通常使われる『天邪鬼』ではなく『天探女』となっている。武将に会いに行く女に嫉妬した別の女の情念を表しているのかもしれない」と活発に感想、意見が交わされました。

漱石さんは早稲田駅に「生誕の地」の石碑もあり、一時期は東京専門学校(早稲田大学)で講師をしていたこともあり、何かと早稲田と関わりがある作家です。身近に感じられました。また、38歳で作家として出発し、死去したのが50歳になる少し前でしたので、文壇で活躍したのは10年ほどのことで、案外短かったことにも私は驚きました。

ご参加の方々皆さん、ご多忙のところ作品全編を読んできてくださいました。また猛暑の中ご参加くださりありがとうございました。皆さんの読書意欲の高揚の一助となれば幸いです。

次回は私たちが高校生、大学生時代に一度は手に取ったと思われる星新一さんの作品を取り上げて、9月下旬頃開催したいと考えています。作品が決まりましたらメルマガ等でお知らせします。

【参加者(敬称略)】 大島、川崎、樋口、松村、山田。5名。

(文=樋口昌典)

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