カマキリの旅立ち

二又祐一(47商)

2020年3月18日の朝、サザンカの枝にカマキリの卵鞘を見つけました。

カマキリの雌は秋になると、腹部から出した粘液を泡立てながら、この中に卵を産みます。泡の塊は固まるとスポンジ状になり、時間が経つにつれ白から褐色に変化します。この塊は「卵鞘」と呼ばれ、暑さ・寒さ、乾燥・湿気、衝撃などから卵を守ります。

卵鞘を見つけてから、およそ2か月半後の6月3日、車庫用門扉の鉄柱にとまっている幼虫を発見。あわててカメラを取りに戻り、撮影しました。体長は、1円アルミ貨の直径(2 cm)よりも短く、孵化したばかりのようでした。

何枚か撮影していたところ、突然、カメラの液晶モニターからカマキリの姿が消えてしまいました。周囲を探しましたが、なかなか見つからず撮影をあきらめかけていたところ、なんと私の左腕に飛び移っていたのです。ヒトの髪の毛と同じくらい細い脚にもかかわらず、跳躍力は抜群でした。
せっかく私の腕にとまってくれましたので、日光が直接当たらないようにジンチョウゲの葉に移動してやりました。

6月15日、アジサイの葉にいるカマキリを見つけました。以前見つけたカマキリと同じであるとは思えませんが、少し成長し体の色も茶色から緑色に変化していました(カマキリは緑色個体と褐色個体に大別されます)。

カマキリは、1つの卵鞘に200~300個の卵を産むそうです。この夏、何匹の元気な成虫に出会えるか、楽しみにしています。

  • カマキリがサザンカの枝に産み付けた卵鞘。2020年3月18日、9時33分、たまたま見つけました