野菜を知ろう

野菜を知ろう(40)
イチゴは石器時代にも食べられていましたが、現在のような品種は18世紀にできました

イチゴ

北アメリカ原産の「バージニアイチゴ」とチリ原産の「チリイチゴ」がオランダで偶然交雑して栽培イチゴが生まれたと言われています。小粒ながら味の良いバージニアイチゴと色艶は良くないが大粒なチリイチゴが交雑した結果、現在のような大粒で甘い品種ができて、世界中に広まったのです。

イチゴの本当の実は、赤い果肉のような部分に点々と散っているゴマのような粒で「そう果」といいます。その中に種が入っています。

野菜の種は実の中にあるのが一般的ですが、イチゴの種は実があまりに小さく、採り出すのが大変ですが、イチゴは種でなく苗(ライナー=走り蔓)で増やすので、種を採り出す必要性が低いと言えます。
また、私たちが食べている赤い部分は子房(実=果実)を支える土台の「花托」という部分が大きく色づいたものです。

イチゴの果実は、本来冬越し野菜で、秋にできた花芽が冬の寒さにあうことで覚醒する性質があり、5~6月にできます。
クリスマスケーキにイチゴは定番の組み合わせです。なぜクリスマスの時期にイチゴができるのか?
答えは、夏の間に低温にあてているからです。
昔は、富士山のふもとなどの高原地帯の低い温度の所にイチゴの苗を運び、花芽を覚醒させて、クリスマスの時期に実ができるようにしていたとの事です。最近では、高地に運ばずに冷蔵庫に入れて人工的に寒さにあてる方法が多くなりました。

イチゴはビタミンCが多く、約10粒で、一日に必要なビタミンC量をとることができます。ビタミンCは水に溶けやすいので、イチゴは洗ったあとにヘタを取るようにします。また、熱すると少量ですがビタミンを損失します。
ビタミンB群の一つである葉酸も多く含まれています。葉酸は、細胞の再生に不可欠で動脈硬化を抑える働きもあります。葉酸も熱と水に弱いので、調理は手早くする。
また、ジャムに加工する際は煮汁ごと利用することをお勧めです。

(2022.6.10)

◆目次は、2ページに。
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