カボチャの栽培は紀元前7000~5500年にメキシコの高地から始まったとされています
日本に渡来したのは、1541年ごろ大分県に漂着したポルトガル船が運んでいた日本カボチャが最初だと考えられています。
カボチャは世界各地で5系統が栽培されており、日本では西洋カボチャ、日本カボチャ、ペポカボチャの3系統が主に栽培されています。
西洋カボチャには大形のものが多く、アンデス山脈高地の冷涼な地域で栽培化され、いわゆる栗カボチャで、ほくほくした美味しい実です。
日本カボチャは、メキシコから中央アメリカの熱帯地域で栽培され、比較的小ぶりで、ねっちりとした実です。近畿以西で作られていましたが最近ではあまり見かけません。
ペポカボチャは、小形のものが多く、北アメリカ南部の乾燥地で栽培され、ズッキーニや「そうめん南瓜(金糸瓜)」、おもちゃカボチャが含まれます。
16世紀に渡来した日本カボチャは各地で分化し、100以上の地方品種が生まれましたが、西洋カボチャが1863年に入ってくると、次第に押されて姿を消しました。
そんな中でひょうたん形をした「鹿ケ谷カボチャ」は、地方品種として京都の地元農家が大切に守っています。
西洋カボチャは果菜類では最も低温に強く、生育適温は17~20℃で、夜温10℃以上あれば生育します。
カボチャは土壌病害に強く、連作も可能です。そのため、キューリやメロン接ぎ木の台木に利用されています。ただし、多湿だと疫病が発生しやすいので、水はけを良くして栽培する必要があります。
普通は蔓を地面に這わせて育てますが、ミニカボチャなどは支柱を立てて立体栽培ができます。畑の有効活用にもってこいです。
カボチャは、体内でビタミンAに変わるβ-カロチンを多く含んでいる緑黄色野菜です。
ビタミンAは粘膜や皮膚の抵抗力を高めるので「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」というのはあながち俗信とはいえません。ビタミンAは生活習慣病やがんを予防する効果があり、狭心症や心筋梗塞などの原因となるコレステロールを減らす効果もあります。カロテンは中身よりも皮に多く含まれています。
このほか、ビタミンB1、B2、C、食物繊維、若さを保つと言われるビタミンE豊富です。
(2022.6.1)
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