スイカは、熱帯アフリカのサバンナが原産地と言われています
スイカの野生種が4000年前のエジプトで栽培されていたことが、壁画から立証されました。当時は、種子を食用にし、また飲料や薬用にも利用されていたようです。
その後、ギリシャ、ローマと地中海沿岸で栽培されるうちに果物としてのスイカが発達し、中国へは11~12世紀に、ヨーロッパへは16世紀初頭に、アメリカには17世紀に伝わって行きました。
中国では、西から伝わってきたので西瓜(シィグァ)と呼ばれ、それが日本に渡来してスイカとなったと言われています。
日本には、寛永年間(1624~43年)伝わったという説が一般的ですが、安土桃山時代にポルトガル人がカボチャと一緒に長崎に伝えたとか、承応年間(1652~54年)に隠元禅師が持ち帰ったという説もあります。
その当時のスイカは、現在のような縞模様でなく、黒っぽい無地の果皮だったようです。江戸中期には、換金作物として栽培され、切り売りしている様子を描いた絵馬が残されています。江戸時代から今日まで、スイカは夏の味覚の代表として我々を楽しませてくれています。
種なしスイカは日本で開発されたもので、初めて作られたのは昭和初期のことです。植物ホルモンの一種「コルヒチン」の染色体数を倍加させる作用を利用しています。
この種無しスイカが、最近ではあまり見かけなくなりました。その理由は、種なしスイカは晩生で、スイカに飽きてきたころにならないと市場に出ないことだということです。
スイカは水瓜と書いたり、ウォーターメロンと呼ばれるように、その90%以上が水分ですが、含まれる糖分はエネルギーの変わりやすく、ビタミンB1・B2・C、ミネラル類やアルギニンなどとともに疲労回復に役立ちます。
とくに注目されるのは、シトルリンとカリウムです。
シトルリンはアミノ酸の一種で、日本でスイカから発見されました。血管を拡張して血流を促進するので、老廃物などの滞りを無くし、冷え性やむくみの改善などに効果があります。
また、カリウムは利尿作用が高く、腎炎、高血圧、膀胱炎などに効果があります。
(2022.5.28)
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