ソラマメは古くから食用されていました
ソラマメの原産地ははっきりとわかっていませんが、カスピ海周辺の中央アジアで野生種と考えられるものが見つかっています。
約4000年前のエジプトのピラミッドからソラマメが見つかっています。また、有名なギリシャのトロイの遺跡からも化石化したマメが出土しています。
育ち始めたさやが空に向かって伸びる姿から「空豆」、または形がカイコ(蚕)の繭に似ていることから「蚕豆」とも書きます。
ソラマメは、未熟な若い実を食用します。
マメ類は野菜として未熟果と、穀類としての完熟果の両方を食べることが多く、ソラマメを完熟させたものは「おたふく豆」などと呼ばれ、素揚げしたフライビーンズや甘く煮含めた煮豆などでおなじみです。
また、ソラマメを麹やトウガラシと一緒に発酵させた調味料が、中華料理で使う豆板醤です。
ほのかな甘みと風味があり、ほくほくとした食感がソラマメの特徴です。
「美味しいのは3日だけ」と言われるほど、鮮度が落ちやすく、収穫して1日経過するだけで多くの水分と糖分が失われ、食味が落ちていきます。
さやからだすと堅くなるので、豆を取り出すのはゆでる直前。塩ゆでしてすぐに冷水にさらすと、緑色が鮮やかになります。また、皮に切り込みを入れておくと、しわが寄らずにきれいにゆであがります。
ソラマメには、糖質とタンパク質が多く含まれます。特に、デンプンが多いので、加熱するとほくほくした食感が生まれます。
動脈硬化の原因の一つと言われる過酸化脂質の生成を防ぐとされるビタミンB2や鉄分、カルシウムも豊富です。
ソラマメは、収穫期のわかりやすい野菜の一つです。
つんと上を向いていたさやがだらーんと垂れ下がってきたらそろそろ収穫です。これは、豆が充実してくるにつれて、豆の重さでさやが垂れてくるからです。
(2022.5.20)
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