シソの歴史は古く、縄文時代にあったと言われています
シソの原産地は、ヒマラヤからミャンマー、中国南部かけてです。
日本への渡来は古く、縄文遺跡からシソの穂や実が出土しています。新潟県では、約2500年前の土器と共にシソの実が見つかりました。ただし、この時代は野山に生えたシソを採取していた可能性もあります。
栽培は、遅くとも平安時代に始まりました。10世紀の古書「本草和名(ほんぞうわみょう)」には「イヌエ、ヌカエ、ノラエ」と呼ばれ、薬草や漬け物用と利用されたことが記されています。その後、現在まで薬用、食用、薬味として長く愛用されてきました。
シソは春まきの一年生草木で、生育温度は20~23℃、発芽温度は22℃前後なので種まきは、4月が適期です。暑さにも比較的強く、土質を選ばず、とても育てやすい野菜です。
シソは葉が良く茂り、薬味としては家庭菜園に数株あれば十分です。ポットに種を蒔いて、移植するのがベターです(直まきすると種が細かいので厚まきして間引きが大変)。
また、シソには赤ジソと青ジソがありますのでお好みを栽培すると良いでしょう。ただし、同じ畑で栽培するとお互いに交雑するので、種を取りたい時には注意が必要です。
シソは、生育段階に応じて「芽ジソ」「葉ジソ」「穂ジソ」と長く収穫できます。
「芽ジソ」は発芽まもない芽のことです。刺身のつまのムラメは赤ジソ、アオメは青ジソの芽です。
「葉ジソ」は、若く柔らかい葉を摘なだものです。背丈が30~40cmになったら、必要な量だけ順次収穫していきます。梅干しに使う赤ジソは梅を漬けるとき株ごと収穫するのが良いでしょう。
シソは短日植物のため、日長14時間になると花芽分化を起こし、9月上旬から花穂を伸ばし始めます(とう立ち=抽だい)。開花中の花穂は「穂ジソ」と呼ばれ、刺身のつまや吸い物にぴったりのものです。
また、実ジソは種ができて穂の先端の花が開いているに収穫し、天ぷらや佃煮、漬け物に重宝します。
(2022.5.16)
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