サツマイモは人々を飢饉から幾度も救ってきた
サツマイモの原産地は、メキシコを中心とする中南米で、東南アジアに伝わり、中国を経て、17世紀初頭に沖縄、九州に渡来しました。沖縄、九州地方では、中国から伝わったイモとして「唐芋」と呼び、本州では九州から伝わったイモとして「薩摩芋」と呼んでいます。
サツマイモは、やせ地でも良く育ち、収量も多いことから、飢饉から幾度となく人々を救ってきた歴史があります。
享保の大飢饉(1732年)では、西日本一帯が大凶作に見舞われました。飢えで多くの死者がでるなか、サツマイモの栽培がすでに広まっていた長崎と薩摩では、餓死者がでませんでした。
そのことから、救荒作物としてサツマイモが注目されるようになり、全国に広まっていったとされています。
サツマイモは、栽培が広がるにつれて研究が進み、従来のサツマイモよりも甘い品種が発見され、飢饉食から美味しいおやつへと変化、江戸時代には石焼きいも屋が活躍し、庶民に親しまれていたようです。
更に、サツマイモは、美容、美肌に効果ある食材で、ビタミンC、ビタミンEを多く含んでいます。ほかにβカロテン、ビタミンB1、B2、カリウム、鉄分などのミネラル分も豊富です。整腸作業のあるセルロースも沢山含んでおり、便秘の解消やコレステロール値の低下にもひと役買っています。
(2022.4.20)◆目次は、2ページに。
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