第4回読書の会 報告

◆開催日=2026年2月28日(土)
◆会 場=小平市 美園地域センター

「読書の会」第4回の会合を行いました。今回は向田邦子さんの『父の詫び状』をもとに読後感想を語り合いました。

東京生まれの向田さんは、保険会社に勤務していた父の転勤で宇都宮(栃木)、鹿児島、高松(香川)、仙台(宮城)と慌ただしい転居生活を経て実践女子専門学校(現・実践女子大学)を卒業後、社長秘書、映画雑誌の編集者を経て脚本家として活躍されました。私たちにとっては懐かしい「時間ですよ」(共同脚本)、「寺内貫太郎一家」などの人気ドラマを世に出し、小説やエッセイでも名作品を残し、第35回直木賞も受賞されましたが、不慮の事故で若くして逝去されました。

今回は小説ではなくエッセイを初めて課題にしましたが、年代的に皆さんになじみのある作家でしたので活発な論議が繰り広げられました。
「一見無関係な話が並べられているが、最後まで読み切ってみると見事にまとめているので感銘した」「父の様子が赤裸々に描かれているので、自分の家族のことをここまで冷静に記述できるものか不思議に思った」「戦争に進んでいく時代のことだが、父はなぜ徴兵されなかったのか」等、本文の内容を深く掘り下げる視点のご感想、ご意見をいただきました。

また、後半は「昭和の父」の話題になり、「父のお礼の一文から、昔の人らしいぎこちない人柄が思われる」「世代間の対立で、親子で文句を言い合っていた記憶がある。妻や子供からいろいろ言われて父もたいへんだったことだろう」「団塊の世代と言われていたが、家庭がバラバラだったところに終戦で父が帰ってきて、崩壊した家庭をどうまとめるか苦心しただろう。家族のために全てを投げ出していた姿が思い出される」「教育には熱心だったのは、自分に学がなくて苦労したからだったのかもしれない」と次々と語られるエピソードの一つ一つは、私にとってはこの歳になったからこそ理解できる、心に残るお話でした。

開会の前には観劇の会の竹内さんから鑑賞会のご案内をしていただき、他の同好会との交流もできまして、実り多い時間を過ごすことができました。

今回は寒いところ9名がご参加くださいました。次回以降もさらに充実した楽しい語らいを進めていきたいと思います。
(文=樋口昌典)

【参加者(敬称略)】
荒井、梶川、川崎、小菅、比留間、広山、本田(校友)、松村、樋口。9名

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