秋の美術館を巡る会は、東京国立近代美術館の「世界のムナカタ」を鑑賞しました。
棟方志功(1903-1975)は、少年時代「わだばゴッホになる」と宣言して以来、一心不乱に創作に励みました。
1955年には、サンパウロ・ビエンナーレ、翌56年、ヴェネチア・ビエンナーレ国際版画大賞を受賞しました。
今回の「生誕120年棟方志功展―メイキング・オブ・ムナカタ」は、棟方に大きな影響を与えた青森、東京、富山を巡る過去最大級の展覧会で、板画(版画)、倭画(肉筆画)、油彩画、デザイン制作から映画、テレビ、ラジオ出演まで、縦横無尽、八面六臂の活動が紹介されていました。
代表作「二菩薩・十大弟子」はともかく、疎開先の富山県福光町の「華厳松」「四季福光風景」など貴重な作品群を目の当たりにできました。
ところで、ゴッホは、生前殆ど評価されませんでしたが、「ムナカタ」はゴッホになれたのでしょうか?
残念だったのは、棟方が油彩から版画に転じる大きなキッカケになった川上澄生「初夏の風」が出品されてなかったことです。私だったら絶対・・・。
棟方展の後、常設企画展も楽しみました。
中学、高校の教科書に載っていた近・現代の名作・名品揃いです。
懇親会は、パレスサイドビル「パブ・サントリアン」で、棟方と美術を肴に、和気あいあいのひと時を過ごしました。
2023年10月24日開催
【参加者】7名(50音順、敬称略)
伊藤 徹、河崎健治、小山雄一、末次浩一郎、鈴木達也、山本 浩、若林 覚
(文責=お世話役・若林 覚)