ジャガイモはやせ地でも栽培しやすく、収穫は種イモの10倍以上です
ジャガイモの原産地は、冷涼な気候の南米アンデス山脈地方でスペイン人によって16世紀にヨーロッパに渡りました。日本への渡来は1600年頃、ジャワ島からオランダ人が長崎に持ち込んだとされています。
明治に入り、北海道で欧州型農業が取り入れるようになって、開拓者の食料として、またデンプンの原料として、本格的なジャガイモ栽培が始まりました。
この頃に日本でも栽培しやすい「男爵イモ」や「メークイン」が導入されて、現在でも北海道が最大の生産地となっています。
ジャガイモは、約3ケ月という短い期間で栽培でき、種イモの約10倍以上の収穫があり、穀類にも指摘するほどデンプン質が多く、栄養価と栽培効率の良さから世界中でされてきました。
ジャガイモの土壌酸度はpH5.0~6.0の弱酸性が適します。通常の野菜はpH6.0~6.5程度ですので、ほとんど石灰を散布する必要がありません。
ナス科の野菜は連作すると障害が出やすいので数年以内にトマトやナス、ピーマンを植えた場所を避けるようにしましょう。
ジャガイモの栽培は種イモの植え付けから始めます。検査に合格した健全な種イモを使用するのが原則です。種イモの大きさは30~50gが適しており、大きなイモは3~4片に切り分けます。
植え付け後、一片の種イモから5~6本の芽がでますが、2~3本を残し芽かきをします。同時に追肥と土寄せを忘れないことです。
ジャガイモは約3ケ月で収穫できます。収穫したら洗わずに土を軽く払ってイモの表面を乾かし、風通しの良く涼しい暗所にしまいます。
ここで注意が必要です。
ジャガイモの実は茎の地下部分(地下茎)が膨らんだものです。茎は光が当たると光合成が始まります。沢山の葉緑素が作られてジャガイモの表面が緑色になって発芽します。この時にジャガイモの表面にソラニンやチャコニン(カコニン)という毒を作ります。この毒は100℃の熱でも分解されず、茹でて食べると食中毒になります。
ジャガイモは収穫後数ケ月間は休眠期間で成長しません。また、光が当たらない場所だと光合成されないので暗所で保管することです。
(2022.7.20)
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