レタスは古くから地中海沿岸から中近東地帯で栽培されていました
葉の長い野生のレタスが、紀元前4500年のエジプトの墳墓の壁画に描かれています。その後、ローマ帝国では、主要な野菜の一つでした。
ヨーロッパに広がって改良され、16世紀には今の結球タイプを含めた多くの種類が生まれました。
アメリカ大陸には15世紀末にコロンブスが伝え、東洋にはペルシャを経由して5世紀までに中国に渡り、日本へは奈良時代に渡来しました。8世紀の東大寺正倉院文書に記載されています。
日本でも古くから重要な野菜で、江戸時代になると一般的に煮物やなます料理に使われました。これらのレタスは結球しない茎レタスでした。
結球した玉レタスは幕末にアメリカから伝わりました。更に、明治になってアメリカやフランスの輸入レタスが料理の飾りに使われ始め、需要が伸びたのは戦後で、実際に一般家庭の食卓に普及したのは高度成長期以降です。
レタスには、大きく4つの品種群があります。
<玉レタス>
葉が丸く重なりあって結球するタイプ。
2つに分けられ、結球させるクリスプヘッド型(玉レタス)と緩い結球状態で収穫するバターヘッド型(サラダナ)があります。
<茎レタス>
茎レタスはステムレタスとも言われ、茎を食べるレタスです。葉は結球せず、中国で多く栽培されています。
茎が伸びるに従って葉をかきとって収穫し、焼き肉の包み葉サンチュにします。
<葉レタス>
リーフレタスがこの仲間で、結球しません。緑系と紅系があります。
<立ちレタス>
ロメインレタス、コスレタスと呼ばれ、エーゲ海のコス島原産です。白菜のように縦長に結球するレタスです。
玉レタスと葉レタスが日本ではなじまれています。
玉レタスは、葉と葉のすき間が適度にあいた、結球が緩い状態が美味しいです。
リーフレタスは、葉を順次かき取る「かき取り収穫」がお勧めです。
(2022.5.12)
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