ハクサイは、日清戦争がきっかけで需要が高まりました
ハクサイの原産地は、中国です。日本への渡来は新しく、明治8年から種子が輸入されました。しかし、丸く結球しなかったり、採った種が菜の花や漬け菜類と自然交雑したりして栽培は失敗つづきでした。栽培がうまくいくまでに10年ほどかかりました。
その後、日清戦争で、ハクサイの故郷に近い旧満州や朝鮮半島に渡った兵士たちが、大陸でハクサイの味や大きさに魅了されたのです。こっそりポケットに種を忍ばせて帰国した兵士もおり、彼らがハクサイを日本に普及させたのです。
中国の白菜には「大白菜」と「小白菜」があり、「大白菜」は葉が重なり合った丸い結球ハクサイ、「小白菜」はチンゲンサイやパクチョイなど葉が開いた漬け菜類を指します。
一説によると、ハクサイの祖先は、カブとチンゲンサイと言われています。これらの祖先は、地中海沿岸、中央アジア、北・東ヨーロッパ、ロシアあたりに自生していたアブラナだと考えられ、古くに中国に渡り、ハクサイや漬け菜類に改良されたと言われています。
野生状態で葉が結球した祖先は見つかっていないので、結球するハクサイは中国生まれと言えます。ハクサイは主に華北地方で、漬け菜類は華南地方で発達しました。
ちなみに、ハクサイはヨーロッパでは利用されず、キャベツが多く改良されて利用されたとの事です。
(2022.5.3)
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