昔々のキャベツは結球しておらず、結球キャベツが作られた時代は不明です
キャベツの先祖は、ヨーロッパの海岸で石灰質が多い岩場等に自生していた植物です。
人類の始まったころには利用されていたと言われ、古代ギリシャでは、薬用にされていたようです。
先祖の野生キャベツは、今のキャベツと違い、葉がまばらで広がり、丸く結球していませんでした。結球したキャベツの存在は、12世紀のドイツ西部で確認されたそうです。
結球したキャベツの渡来は、明治時代です。第二次世界大戦後、特に昭和30年代から40年代初めに消費が伸びました。
いっとき生野菜の座をレタスに奪われましたが、葉がやわらかくて甘味のある品種が増え人気を盛り返しました。
また、キャベツの祖先からは、ケール、コールラビ、芽キャベツ、ブロッコリーなど、様々な野菜が生まれています。
日本で作られた観賞用のハボタンも同じ種で、18世紀初頭にオランダから長崎へ持ち込まれた不結球ケールから改良されたものです。
キャベツは、最初の葉は縦長で葉柄もあり、これが外葉です。次第に葉柄が短く幅がある葉が出てきます。やがて植物ホルモンの働きで内部の葉が立ち上がり、巻き込み始め、玉を形作ります。
そのため、よく締まった大きなキャベツを作るには、結球するまでに、大きく育てて葉の数を増やしておく必要があります。
(2022.5.2)
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