久方振りの美術館を巡る会は、6月6日(月)、サントリー美術館の「大英博物館 北斎」展を見学した。
当初、参加希望者が少なく難渋したが、最終8名が参加、和気あいあいと楽しいひと時を過ごすことができた。
今まで、幾多の北斎展が開かれ、その殆どを見てきたが、6人のコレクターのドネーションに焦点を当てた「大英博物館収蔵・北斎展」は初である。
作品には初期刷りのものが多く、しかも殆ど表に出てこなかっただけに、画像が鮮明で、見ごたえのある展覧会であった。とりわけ、70歳代の「花鳥画」、「百人一首姥がゑとき」のシリーズが充実していた。
個人的には、富嶽36景(実は46景)全てが出ていなかった点、中でも名品中の名品(と私は思う)「甲州石班澤」が出品されていなかったのは残念であった。
北斎(1760-1849・90歳没)は度重なる改名、93回もの転居を繰り返した。その度毎に、自らを鼓舞して、新たな画業に挑戦していった。
75歳の時、「73歳で些かではあるが、禽獣・虫魚の骨格、草木の出生を悟った。この上、80歳でますます進み、90歳で奥意を極め、100歳で神妙を得、110歳で一点一格生けるがごとし」と述べている。
見学の後、近くの「カジュアル・イタリアン」でランチミーティング、若干の美術館運営、学芸員経験のある若林から「サントリー美術館、北斎、北斎展」についてショートコメントがあった。
今後、年数回は、洋の東西、近現代、絵画・彫刻・工芸などジャンルを問わず、美術館を巡る会を開催していく予定。奮ってご参加下さい。
(美術館を巡る会・若林 覚)