第4回ワイナリー見学ツアー報告

10月の第42回ワイン研究会は、昨年に続き「第4回ワイナリー見学ツアー」として行いました。

・日  時:平成29(2017)年10月20日 8時30分出発-17時30分帰着
・訪問先:
ルミエールワイナリー(笛吹市)―フレンチダイニング竜― Kisvinワイナリー ―乾徳山恵林寺(以上 甲州市塩山)
・参加者:23名(50音順・敬称略)
井垣、伊藤(徹)、小川、梶川、国友、栗原、佐藤、篠原、末次、滝沢、冨平、野村、早川、福田、松村、村木、山本(以上 男性17名)
荒木、小林(弘)、坂本、浜田、福田、片岡(以上 女性6名)

今回のツアーは、創業130年、日本最古のワイン醸造用地下発酵槽を持つルミエールワイナリーと、発足4年ながらそのぶどう栽培とワイン造りに業界が注目するKisvin(キスヴィン)ワイナリーの歴史の異なる2社を訪れようというもの。その間に挟まるランチタイムも乞うご期待。

秋を飛び越して一気に冬を迎えたかのような前夜からの雨の中を参加者全員、元気に小平駅前に集まった。
定刻にスタートしたバスは小雨降る中央高速を山梨へ。今回5名のツアー初参加者がいて、改めて全員で自己紹介。和やかな雰囲気に移る頃合いをみて、恒例の缶ビール車内販売。ビール営業が本職だった松村さん、さすがの声掛けでたちまち売切った。

ビールは完売! 観光マップでお勉強!

ビールは完売! 観光マップでお勉強!

「皆さんご心配なく。山梨に入ったら富士山が見えますよ!」と道中ガイド役を買って出た「山梨観光大使」の早川さん、勤務していた出版社のコミックを使っての「甲州」ぶどうの生い立ちの説明や、観光マップの配布をするなどサービス満点。
富士山こそ顔を見せなかったが、山梨県に入ると降雨の跡もなく雲のかかった山並みを遠くに見ながら順調な走行を続け、最初の目的地ルミエールワイナリーへ。

雨上がりの山並みを見ながら、ルミエールワイナリーへ

雨上がりの山並みを見ながら、ルミエールワイナリーへ

甲府盆地の東部、京戸川扇状地の中腹傾斜地の狭い道をバスはやっと上って創業家の旧家跡というワイナリーに到着。われわれを出迎えたスタッフの大島さん、早速ワイナリー前に広がる日本式棚仕立てのぶどう畑の案内のあと、醸造タンクなど施設を見学して醸造用地下発酵槽へ。
傾斜地の地中を流れる地下水の天然の冷却効果でワインセラーやタンクに適しているとして作られたこの日本初のヨーロッパ型横蔵式半地下貯蔵庫、発酵槽は国の有形文化財として登録されている。

有形文化財指定の石倉の中で

有形文化財指定の石倉の中で

花崗岩を積み上げて作られた長方形の地下発酵槽10基が横並びに並んでいて、赤ワインの大量仕込み兼貯蔵タンクとして使われたという。「花崗岩の表面が赤くなっているのは長年利用したブドウの色素が付着したから」と大西さん。発酵槽の前の通路はセラーとして使われ、ワイン樽がズラリと並んで壮観。
この地下発酵槽が有形文化財に指定されたのを機に一部石蔵でのワイン仕込みが復活していて、醸造所から鉄網の蓋をとおして覗けたが、今年の仕込みは終わっていた。ショップでは試飲したり、お土産ワインを求めたりした。

ルミエールワイナリー見学を終えて

ルミエールワイナリー見学を終えて

笛吹を後にして塩山へ。JR塩山駅近くの住宅街、うっかりすると通り過ごしそうな民家にひっそりと「フレンチダイニング竜」の看板が。旧塩山市長の私邸を取得してフレンチレストランにしたという知る人ぞ知る人気店。
「これがレストラン?」といぶかりながら豪華な門をくぐり、案内された離れの和室のテーブルにつき、手入れされた庭を眺めながらのランチタイムに。
和食器に地元の有機野菜を使ったフレンチランチのフルコース。飲み物はもちろん白ワイン「甲州」。和空間で味わうフレンチに会話も弾んで赤ワインをボトルで追加した。

フレンチフルコースを前に「甲州」白で乾杯

フレンチフルコースを前に「甲州」白で乾杯

昼食を済ませて次のお目当ては、ワイン研に招いたのがきっかけになって昨秋晴れて推薦校友となり、今年の4月例会にも招いたおなじみの斎藤まゆさんが醸造責任者を務めるKisvinワイナリー。
こちらも住宅街の中、「Kisvin Winery」と記した案内のワイン樽を見逃してしまいそうな佇まいのワイナリー。それもその筈、ここは三代続くぶどう栽培農家の荻原Kisvin社長の実家、今も社長のお祖母さんが住まわれているとか。その敷地を使って評判のワインを造っている小さなワイナリー。

Kisvinワイナリー入口で斎藤さんのお話

Kisvinワイナリー入口で斎藤さんのお話

われわれを笑顔で出迎えた斎藤さん、歯切れのよい口調で歓迎の言葉を述べてワイナリーの説明。「小さいワイナリーですが、この間世界的に有名なソムリエが来訪されて、スイスにはもっと小さいワイナリーがあるよと言ってくれました」。
次いで新興ワイナリーらしくピカピカに光る新鋭醸造設備と敷地地下に造られたセラーを見学。セラーには20樽が並んで各種ワイン熟成中。説明を受けているとき、打栓用木槌で樽を叩いたり、栓を開けてみようとした会員がいて斎藤さんを慌てさせる一幕も。畑では60種ものぶどうを栽培していると言い、「どんどん新種のぶどうを栽培して良いワインづくりに挑んでいきます」と斎藤さん。

ワインセラーで大人しく説明を聞いていたのですが・・・

ワインセラーで大人しく説明を聞いていたのですが・・・

快活に話す斎藤さんに比べて控えめな萩原康弘社長だったが、ぶどう栽培の専門家としての評判はつとに高く、良いぶどうとワイン造りに秘める情熱は熱い。「良いワインを造るために斎藤にきてもらった。今後ともこれで行く」ときっぱり。小さいながらも萩原・斎藤コンビの世界に通用するワインづくりに業界の注目度はいやがうえにも高まっていくことだろう。

4種の試飲ワインを頂き、斎藤さんの音頭で乾杯!

4種の試飲ワインを頂き、斎藤さんの音頭で乾杯!

場内見学の後は、Kisvinワイン4種の試飲でのおもてなし。斎藤さんの発声で乾杯! 楽しく再会の一時を過ごし、お気に入りのワインを買う参加者も多かった。

萩原社長と斎藤さん(前列中央)を囲んで記念撮影

萩原社長と斎藤さん(前列中央)を囲んで記念撮影

斎藤さんたちに見送られてKisvinを後にし、武田信玄の墓があるので有名な乾徳山恵林寺へ。重要文化財の「赤門」をくぐって庭園を進むと「三門」に。

恵林寺「三門」の前で早川観光大使の解説が続く

恵林寺「三門」の前で早川観光大使の解説が続く

柱には、織田信長の焼き討ちで死を遂げた快川(かいせん)和尚の辞世の詞が両柱に掲げられている。「安禅必ずしも山水を用いず、心頭滅却すれば火も自ずから涼し、と読みます」と、ここでも早川さん、観光大使の顔をのぞかせた。
開山堂―方丈庭園―うぐいす廊下―恵林寺庭園とみどころを早足でまわったが、信玄公墓所は非公開で遠くから眺めるだけだった。

予定のコースをすべて巡って帰途に。車中ではビンゴゲームに興じた。都内に近づくにつれて再び雨模様。小平駅前に予定どおりの時刻に無事帰着。「楽しかったよ。また来年もよろしく」の声を残して解散となった。

(文=井垣、写真=荒木)

次回の第43回例会は、11月17日(金)15:00-17:00、カサ グランデでの開催です。今年のボジョレ・ヌーボーを味わう会です。会費は2,000円+ワンコイン(任意)。どなたでも歓迎。ただし、会場の都合で14名まで。申し込み締め切りは11月12日ですが、早めに井垣(090-1196-1471)までお願いします。

 

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