第28回美術館を巡る会
東京都美術館「田中一村 奄美の光 魂の絵画」展の報告

第28回美術館を巡る会は、2024年10月2日(水)東京都美術館「田中一村」を鑑賞しました。出品数250件と過去最大級の展覧会で、本人の「最後は東京で個展を開いて、絵の決着をつけたい」という強い思いが通じたのか、沢山の人で賑わっていました。

展覧会は第1章、若き南画家「田中米邨」東京時代。第2章、千葉時代「一村」誕生。第3章、己の道奄美へ。の3部構成でした。

第1章では幼少時から「米邨」と名乗り、天才ぶりを発揮し、数々の南画を描いた米邨を紹介、とりわけ14歳で描いた「池亭聞蛙」には魅入られました。
東京美術学校へ優秀な成績で入学するも2ヶ月で退学、「家事都合」と言っていますが、同級生に、東山魁夷がいたことも影響しているかもしれません。

第2章では、千葉寺の風景画が素晴らしい。郷愁を感じます。日展や帝展に落選を重ね、新しい画題を求めて、日本各地を南下し、最南端の奄美大島に辿り着きます。

ここからが第3章、紬工場で染色工として働き、糊口をしのぎながら「アダンの海辺」はじめ数々の名作が誕生していきます。

没後、その生き様と作品が検証され、昭和54年遺作展、59年NHK「日曜美術館」での特集、奄美大島の田中一村美術館開設で、日本全国に知れ渡りました。

当日の参加者は6名、もっと多くの方々に「美術の楽しみ」を知って頂きたいと念じています。懇親会(参加者4名)は、高田馬場、中華料理「石庫門」で「一村」の余韻に浸りながら、和気あいあいと楽しいひと時を過ごしました。
【参加者】6名(50音順、敬称略)
河崎健治、木本芳樹、小山雄一、福田豊夫人、山本浩、若林覚

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