福生の玉川上水と多摩川を歩く
平成30年9月29日(土)
このところ都会めぐりが続いたのと、この夏の猛暑続きに水が恋しくなったので、じゃあ水辺にしようとここを選びました。ところがこの日は沖縄に台風24号が襲来し、その影響で秋雨前線が刺激され、福生も午後から雨が降り続ける始末。そのうえ、これぞという目玉に欠け、公園々々の“ベタ”なコースでしたが、愚直に歩く道、おしゃべりしながらのブラブラ歩きの通り、それなりにお楽しみを見つけていただけましたでしょうか?
福生は「散策の会」では初めて訪れる方面ですし、しかも小平駅からだと新宿へ行くよりも近いので、帰宅時間を気にせず飲める・・・。そんなことからか15人の参加者に拝島駅に集まっていただき、コンコースでの集合写真のあと13時45分にスタート。
☆水喰土(みずくらいど)公園(福生市熊川1359-1)
玉川上水を掘削の際、水を流したらこの辺で水が残らず地中に吸い込まれたことから、“水を喰う土”というこの名が付きました。つまりはこの辺の厚い砂利層が水を吸い込んでしまった失敗作業だったのです。そのために仕方なく北側へルート変更して、工事を完成させました。この公園内には当時の掘削の跡が保存されていて、階段で7メートルほど下ると堀底に降りられます。草ボウボウで、いわれなければそれと分からぬ存在ですが。
拝島駅から玉川上水沿いに「日光橋公園」という名の細長い緑地帯が600メートルほど続き、八高線をくぐり、この公園につながります。また、ここの北には広大な米軍の横田基地が拡がっています。
水喰土公園で玉川上水におさらばして西行し、青梅線や五日市線の踏切を渡り、奥多摩街道を約1キロ北上。東の玉川上水と西の多摩川が500メートルほどに接近した位置の中程にこの「ほたる公園」がありました。
拝島崖線上にある奥多摩街道からは、左手に多摩川を望み、その奥に今日は雨雲に阻まれて見えませんが、南多摩の山並みが連なっているはずです。しばらく歩き、20数段の階段で崖線を下りると楕円形の「福生ホタルドーム」が目に入ります。この辺では昭和30年代まではたくさんのゲンジボタルが生息していましたが、その後減少していくため、人工飼育する施設として昭和48年に設置されました。例年6月の「福生ほたる祭」では500匹のホタルが放たれ、大勢の人で賑わうそうです。
多摩川沿いにある南北700メートルもの長さを持つ広大な公園です。河川敷と一緒になって、どこまでが公園なのか区別がつきません。小雨に煙る緑一色の公園の中で、オオハルシャギク・キバナコスモス・ハギなどが咲く区画が彩りを添えています。ここは小川、花壇、BBQ場、野球場などがあるファミリー向けの施設です。公園からは木々が邪魔をして川はまったく見えません。多摩川に来て川を見ずに帰るのはなんとも心残りです。そこで雨を含む草むらの中の獣道のような細道を下り、水流の見える地点まで足を運びました。目の上には五日市線の鉄橋がそびえています。玉川上水の羽村取水堰はここから約4キロ上流にあります。
この公園の南端には大きな福生団地があり、その間を抜け次の公園に向かいました。
中福生公園から福生南公園まで2キロほど続く長い遊歩道ですが、今回は途中から入り途中で抜けました。拝島崖線に沿い流れる小川はその名のごとくか細く、雨のせいかやや透明さを欠いています。下見の時に見たクリスタルのような輝きをぜひ見ていただきかったのに残念。
☆熊川神社(熊川660)
道中の崖線を昇ったところに熊川神社があり、参拝だけでもと寄ってみました。境内には不精者に好都合な「1か所七福神」の石像があちこちに立ち並んでいて、手を合わせたまま体をぐるりと180度回転してお参りしてきました。きっと来春の「七福神めぐり」までは福が持続するでしょう。神社の脇には熊川分水が豊富な水を運んでいました。
【散策後の懇親会】
拝島駅近くにある「や台ずし拝島町」の暖簾をくぐりました。グレードは飲み放題のプレミアムコースで4,000円といういつもの相場。多くの店では〆は鍋の残り汁で作る玉子雑炊とか煮込みうどんが定番ですが、この店は寿司屋を名乗るだけあって、それが握り寿司なのには感心しました。そのほかにも鮎の串焼きなども出てきて、おおむね好評でした。
拝島駅で解散したほろ酔いでいつもより饒舌な一行は、19時前には西武線やJR線へと分かれて行きました。
【参加者】
荒木・伊藤(徹)・大河原・大河原夫人・国友・小林・佐藤(俊)・篠原・滝沢・竹内・田中・千葉・松村・村木・山本(15名)
(文=佐藤(俊)、写真=荒木)