10月の第53回ワイン研究会は、「第5回ワイナリー見学ツアー」として行いました。
・日 時:平成30年10月26日 8時40分出発-18時00分帰着
・訪問先:牛久シャトー、牛久大仏(茨城・牛久市)
・参加者:24名(50音順・敬称略)
井垣、伊藤(徹)、小川、小平、河崎、国友、栗原、篠原、志村、末次、滝沢、冨平、野村、福田、山本、横田(以上 男性16名)
荒木、小林(弘)、坂本、篠原、内藤、浜田、福田、片岡(以上 女性8名)
今回のツアーは、関東地区ワイナリー巡りとして一昨年の足利(栃木)に続いて牛久市(茨城)の「牛久シャトー」と「牛久大仏」を訪れた。ツアーも5回目とあって今年は少し視点を変えたワイナリー見学。牛久シャトー(旧 カミヤシャトー)は、「電気ブラン」で知られる「神谷バー」となる「みかはや銘酒店」を浅草で開いた(明治13 [1880]年)、神谷傳兵衛が自らの病気が葡萄酒の滋養効果で治癒した経験からワイン醸造を夢見て牛久の地に開設した日本初の本格的醸造場。フランス・ボルドーの様式を採り入れた煉瓦造りの建物3棟は国の重要文化財に指定されているというので、わが国ワイン醸造の歴史を訪ねるツアーとなったもの。
バスの中は賑やかそう!!
快晴とはいかなかったがまずまずのツアー日和のこの日、ルネこだいら傍に三々五々集まった参加者は24名。その1/3が女性とあって一段と和やかな雰囲気のなかバスは圏央道を牛久IC目指して走った。牛久シャトーでは案内係は付かず「シャトー内はご自由にどうぞ!」というスタイルなので、ワイナリーの案内チラシが配られて事前に車内での「ワイキキタイム」(?)。走ること2時間半、缶ビール片手の人もいて、賑やかにおしゃべりが続くうちに「牛久シャトー」に着いた。
シャトーカミヤの本館の前で
まずは一行を出迎えた正面の煉瓦造りの瀟洒な洋風建物は牛久シャトーのシンボルという本館で、明治36(1903)年建設の国の重要文化財。「それにしては新しいな」と不思議な気持がしたが、実はカミヤシャトーの事務室だったこの建物のほか、全ての建物が東日本大震災で煉瓦積のズレや煉瓦の脱落など躯体に被害をうけ、5年の歳月をかけて復元復旧したばかりというので納得 !
牛久シャトーの歴史がわかる展示の数々
地下のワイン熟成、貯蔵施設・・・もしかして商談中ですか?
収穫したばかりのぶどうの仕込み作業を窓から覗かせて頂きました
本館を通って、今は「神谷傳兵衛記念館」になっている地上2階、地下1階の旧発酵室へ。本館と同じく煉瓦造りの重要文化財。2階には牛久シャトーの歴史がわかる創業者・神谷傳兵衛らやカミヤシャトーを訪れた板垣退助など要人の写真類、創業期のワイン生産の道具や機器など、日本初の本格的醸造場が伺われる展示の数々を見て回って地下のワイン熟成、貯蔵施設へ。 貯蔵樽がズラリと並ぶ温度・湿度が最適になる天然の貯蔵施設の暗い通路の先に突然明るい一室が現れた。部屋では園内のぶどう畑で今年収穫したばかりのぶどうの仕込み作業の最中で、ここだけに現代ワイナリーの姿が見て取れた。地下の旧発酵室から続くワインセラーでは牛久シャトーのオリジナルワイン「葡萄の城」やボルドーを始め各国ワインがズラリと並んでいた。別棟のスーベニアショップでは「葡萄の城」の試飲サービスもあって牛久シャトーブランドを味わったり、お土産に買ったり。
ワインセラー・・・憧れのワインを試飲させて頂きました
お食事の用意が出来るまで待つのも楽しいですね
園内には「オエノンミュージアム」という名の建物も。「オエノン」ってチョット聞き慣れない名だが、実は牛久シャトーは「蜂ブドウ酒」でお馴染みの合同酒精(株)の一部門で、同社を母体とする持株会社・オエノンホールディング(株)の名。「オエノ」はギリシャ神話に出てくるすべてを酒に変える女神の名で、バイオの象徴、それに多角化を目指す「オン」を加えて社名にしたという。同グループの歴史と現状の展示のあるこのミュージアムも見たりしての参加者はそれぞれ自由に各施設を見学したあとは、お待ちかね「ランチタイム」に。
今日一番幸せなひととき・・・
ランチは「レストランキャノン」で。この建物も煉瓦造りの旧ワイン貯蔵庫で重要文化財に指定され、長方形の構造を活かしてレストランに改造したもの。ランチはフランス料理、前菜、スープ、メインディッシュの魚・肉、そしてデザートと続いた。ワインはもちろん「葡萄の城」白、赤。「料理おいしかったよ!」と好評だった。
ランチを楽しんで「牛久大仏」見学に向かう。暫く走るとバスの車窓に突如現れた大仏像に「ウワー 大きい!」と声があがる。それもその筈、青銅製立像では世界一の高さ120 m、奈良の大仏が掌に乗るという大きさでギネスブックに登録。「牛久阿弥陀大仏」が正式名、浄土真宗東本願寺の霊園・牛久浄苑に立っている。
満開のコスモス畑の彼方に巨大な牛久阿弥陀大仏
正門を入って大仏に向かう道の右側には折から満開のコスモスのお花畑が広がって目を奪われる。左側には桜並木と芝桜などの庭が広がっていて春の風景を思い浮かべながら大仏の内部へ。エレベーターで地上85 mの5階胸部展望台に。展望台と言っても像自体の美観上の配慮からスリット状に設けられた小窓からの展望だが、東西南北が見渡せ、天候次第で富士山やスカイツリーも見えるという眺望(残念ながらこの日は見えず)を楽しんでから階段沿いに降り、約3,400体の永代供養・胎内仏がある金色の3階、写経空間の2階など独特の世界を覗いた。
撮影提供場所で集合写真・・・牛久大仏様もご一緒に
時間の関係でゆっくり園内散策とはいかなかったが、予定のコースをすべて巡って帰途に。車中ではビンゴゲームに興じ、ワインや「電気ブラン」などの賞品がプレゼントされた。途中の渋滞などもあって予定よりやや遅れたが、18時、小平駅前に無事帰着。「楽しかったよ。また来年もよろしく」の声を残して解散となった。
(文=井垣、写真=荒木)
次回の第53回例会は、都合により第5金曜日11月30日(金)15:00-17:00、於カサグランデで。今年のボジョレ・ヌーボーを味わう会です。会費は2,000円+ワンコイン(任意)。どなたでも歓迎。ただし、会場の都合で14名になったら締め切らせていただきます。早めに井垣(090-1196-1471)まで。