第22回寄席研究会は平成30年11月19日(月)に、新宿末廣亭で11月中席昼の部観賞会を開催しました。今回も落語協会担当の寄席です。
今回は地味な噺家が多かったせいか、1階席はほぼ満員となったものの、2階を開放するまでにはなりませんでした。
会員の参加もイベント疲れのせいもあって5名とやや寂しいものでした。
18組の出演のうち落語以外の色物は7つですが、残念ながらいつもほど笑えるものは、ありませんでした。その中で落語協会では珍しく講談(宝井琴調の堀部安兵衛談)がありました。俗曲は以前にも聞いたことのあるワセダOGの柳家小菊でしたが、マイクの位置が悪くよく聞き取れませんでした。
落語の方も、枕の部分(客の心を掴む上で大事なところなのです)が長すぎて、肝心の落語が中途半端に終わってしまうものが幾つかありました。
今回の寄席研で印象に残った噺を二つ紹介します。
一つはトリの柳家権太楼が30分以上かけて熱演した「にらみ返し」です。大晦日の長屋の熊五郎と掛け取りのやりとり、その後に言い訳屋が登場し、無言でにらみつけ、取り立て屋を追い返すという滑稽噺ですが、権太楼の表情は爆笑ものでした。
もう一つはトリ前の春風亭一朝の「看板のピン」(別名見せかけのピン)です。
サイコロ賭博を題材にした噺ですが、隠居の老親分のサイコロ振りに感心した若者が、それを真似てしくじりをするというもので、一朝のベテランの味が出ていました。主人公が他人の真似をして失敗する噺は結構ありますが、ご存知の「時そば」を今回はこれもベテランの柳家小満んがテンポよく演じました。
終演後はいつも通り末廣亭の隣の焼き鳥屋・庄助で懇親会を開き、5人で落語談議に花を咲かせました。次回は来年2月か3月を予定しています。是非ご参加下さい。
参加者:荒木、栗原、佐藤俊、末次、伊藤、以上5名(敬称略)。
(文=伊藤)