第59回散策の会報告
新宿山ノ手七福神めぐり

令和6年1月6日(土)

あけましておめでとうございます。

「七福神めぐり」も今年で13回を数えました。一年の初めにさまざまな神から福を授かりたいということで新年恒例となっていますが、マンネリの感も拭い切れません。

今回の七福神の内、毘沙門天が祀られている善国寺(神楽坂)は平成26年の「神楽坂めぐり」で、布袋が安置されている太宗寺(新宿二丁目)は平成30年の「神宮外苑から新宿へ」の際にお参りしています。そのうえ距離的に離れていることもあり、この2寺を割愛し5社寺めぐりとしました。

「新宿山ノ手七福神めぐり」が始まったのは大正年間、あるいは昭和9年ともいわれ、比較的新しいようです。

「開運と招福間違いなし」の笑顔


大黒天 経王寺(きょうおうじ)(新宿区原町1‐14)日蓮宗
大黒天は高さ12㎝ほどの真っ黒な木像で、本堂右手の大黒天堂に祀られています。秘仏のため拝顔できないものと諦めていましたが、幸運にも厨子の扉が開かれていました。度重なる火災に遭っても焼失からまぬがれたため「火伏せ大黒」と呼ばれています。室町時代に作られたもので、新宿区の有形文化財です。

堂内は撮影禁止で残念

ここは集合場所の牛込柳町駅のすぐ隣にありましたが、次の神社までは少し遠く22分ほど費やしました。

弁財天 厳嶋神社(いつくしまじんじゃ)(余丁町8‐5) 
「抜弁天」(ぬけべんてん)という名の方が有名です。「境内が南北に通り抜けられる」あるいは「苦難を切り抜けられる」ことからその名がついたそうです。狭い境内には小さな池があり、大きな錦鯉が泳いでいます。そういえば弁天様は河の神様ですものね。小さな社には御簾が下げられていて、弁天様は拝めませんでした。

五代将軍綱吉の頃「生類憐みの令」により、この辺には2万5千坪もの野犬のための犬御用屋敷があり、4万匹以上の犬が収容されていたそうです。

寿老人 法善寺(新宿6-20-16)日蓮宗
寿老人は本堂右手の庫裏の奥に祀られています。高さ30㎝位でしょうか、距離があり暗くてよく見えませんでした。

これとは別に区指定の有形文化財である「七面明神像」があるそうです。唐風の衣裳に宝冠をかぶり、左手に火炎如意宝珠、右手に鍵を持つ像高30㎝の極彩色の像です。本堂に安置されていると言われましたが、小さな覗き窓からは探せませんでした。

なぜかここだけはひっそりと


福禄寿 永福寺(新宿7‐11‐2)曹洞宗
福禄寿は本堂向かいの小さな社に祀られていました。ただ、ここの福禄寿は像ではなく、江戸末期に植木師が善光寺参りの帰りに拾ったという石です。福禄寿によく似ているといわれていますが、見たところのっぺりした砲弾型でした。道に落ちていた石でも信仰の対象になるものなんですね。「鰯の頭も信心から」というバチ当たりの言葉が浮かびます。

他に新宿区の文化財に指定されている露座の地蔵菩薩像(1853年作)と大日如来像(1756年作)がありました。お地蔵さんというとよだれ掛けをした庶民的で親しみやすい仏というイメージがありますが、ここのは「半跏趺坐」(はんかふざ)という思惟のポーズをとっているので、ちょっと戸惑ってしまいます。それに曹洞宗の寺院になぜ大日如来像があるのでしょう?いろいろと不思議なお寺です。

これが福禄寿?

ここから12分ほどで最後の神社に到着です。

恵比寿 稲荷鬼王神社(いなりきおうじんじゃ)(歌舞伎町2‐17‐5)
恵比寿は境内の小さな恵比寿神社に祀られていました。ここは江戸時代に稲荷と鬼王権現を合祀した全国唯一の珍しい神社です。この神社には豆腐を供え、病気が治るまで「豆腐断ち」し、授与された「撫で守り」で患部を撫でれば治るという珍しい信仰が残されています。特に湿疹・腫れ物に効能があるそうです。

境内には「力様」(りきさま)と呼ばれる、しゃがんだ鬼が頭の上に大きな水鉢を乗せたポーズのゴツゴツした石像がありました。これも区の指定文化財です。

また、高さ2mほどの富士塚があり、「西大久保の厄除け富士」と呼ばれています。なぜか道をはさんで五合目で左右に二分割してありました。

最後に昨今話題となっている場所を2か所案内するために、歌舞伎町の奥部に潜入してみました。まずはホストクラブが入るビルです。壁面にはホスト達の顔写真が数多く掲げられ、それに各自の年間売上高が表示されています。

このあと新宿コマ劇場跡にある話題の「トー横」へと行きます。ただ、広場横のライブ会場への入場や、グッズを買うための行列といった若い女性たちの大集団は見られましたが、「トー横キッズ」らしい子の姿を目にすることはありませんでした。松の内の午後3時、やはり締め出されたのでしょうか?


さて、佐藤(俊)はこれまで「散策の会」でのコースの企画・立案を足かけ11年間、会長職を8年間にわたり務めてきましたが、今回を最後としてその担当を退くことになりました。「老兵は死なずただ消え去るのみ」です。事故の発生もなく無事にここまで経過できたのも、皆様のご協力があったればこそと、深く感謝申し上げます。

今後は松村さんを会長、瀧川さんを世話役とするサステイナブルな新体制で臨んでまいります。これまでを超えるご支持とご参加をお願いする次第です。

【散策後の懇親会】
おなじみの新宿「三平」で13名が参加して行いました。お互いの開運と健康を念じ『カンパーイ』。16度という3月から4月を思わせる陽気の中での心地よい散策でした。

【参加者】
井垣・伊藤(徹)・大河原(忠)・大河原(眞)・大島・木本・栗原・小林(弘)・佐藤(俊)・鈴木・瀧川・間・福田(豊)・福田(静)・松村 (15名)

(文=佐藤(俊) 写真=松村・佐藤)

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