「モネかマネか? モネだ。しかしマネのおかげでモネはあるのだ。モネよ、おめでとう。マネよ、ありがとう」は、1866年、雑誌ラ・リュースに掲載された戯画のキャプションだ。
マネは、モネたちの8回に渡る「印象派展」には一度も出品していない。従って印象派ではない。しかしモダニズムの旗手として、印象派始め後世の画家に、大きな影響を与えた。(ミレーやクールベの社会主義的リアリスムに続き、都市生活を描いた新リアリスムとも言われている)
日本にある作品は油彩・パステル画で17点と少ない。そのうち7点が出品されている。(版画作品は多数出品)
それを堪能しながら、近・現代の日本美術に与えた影響を考えてみようというものであった。オルセー美術館所蔵の「草上の昼食」「オランピア」など代表作がないのは残念だが、美術史的にも大いに意義のある展覧会であった。
以下、印象に残った作品。
・マネ 散歩(ガンピー夫人)
・石井柏亭 草上の小憩 マネ 草上の昼食 の影響
・片岡銀蔵 融和 マネ オランピア
・森村泰昌 美術史の娘 マネ フォリー=ベルジュールのバー
・福田美蘭 ゼレンスキー大統領 視線が草上の昼食に似ている
*冒頭、小野寛子主任学芸員から、見どころ紹介のレクチャーがあった。
尚、10月11日(火)BS日本TV「ぶらぶら美術博物館」、16日(日)NHK 日曜美術館アートシーンで紹介された。
美術館の前庭「幻想美術動物園」(20種類32体のファンタジーな動物彫刻)を楽しんだ後、カジュアル・イタリアン「スノーグース」でピザ・パスタのランチミーティング。久方振りのリアルな会食であった。10月13日(木)11時~14時。
(文・写真=若林 覚)
【参加者】荒木彌榮子、伊藤 徹、河崎健治、小山雄一、末次浩一郎、滝川 清、松村純夫、山本 浩、若林 覚(9名)