第50回散策の会報告

懐かしの東京タワー

令和4年3月23日(水)

「散策の会」の活動が50回に達しました。この間に延べ792人の方に参加いただきました。本当にありがとうございました。と同時にどちら様もおめでとうございます。

栄えある50回目の記念の旅はどこにするか?  いくつもの案を挙げ悩みましたが、結局、松村世話役が提案した東京タワーに決めました。完成から64年、どなたも1度は昇ったことがあるでしょう。でもその後、数十年はご無沙汰という人がほとんどではないかと思います。かくいう私は43年ぶりです。こういう機会がなければなかなかその気になれなし、天下を睥睨し民の竃の賑わいを見れば、気宇壮大な気分になってきっと若返るのでは…。そんなこんなで今回は東京タワー見物を核にして行いました。さらに正月の「港七福神めぐり」でスルーした1寺(弁財天)がすぐ近くにあるので、そこへもご利益をいただきに参拝してきました。

これからも続く「散策の会」は、50回の経験を生かし更なる“高みに引き上げる”べくがんばるつもりでおりますので、皆様の一層のご参加をお待ちしております。

少数精鋭の50回記念


☆芝丸山古墳
(港区芝公園4-8)
都立の芝公園は増上寺を取り囲むように広大な地域を占めていて、今回訪れた古墳・ホテル・もみじ谷の3つはこの公園内に存在します。

古墳は芝公園駅を出るとすぐの所にありました。5世紀後半に築造された前方後円墳で全長125mの都内最大級のものでしたが、いまはかなり削られてしまいそれと分からぬ姿です。でも梅や桜の木が数多くある公園になっていて、墳丘の上まで登れます。墳頂にはかつて二代将軍秀忠と正室お江の方のお霊屋があったとかで、また中ほどには江戸初期に建立された「丸山随身稲荷神社」があり、パワースポットとしても知られています。なお、隣の増上寺には2013年3月にこの会で訪れています。

祠は小さいけどパワースポット

そろりそろり 降りる方がコワイ

☆プリンス芝公園(芝公園4-8-1)
ホテル「ザ・プリンスパークタワー東京」の2階にある屋外庭園です。丸い芝生広場から見る東京タワーはさえぎるものがなく、その全景は見る者を圧倒します。

☆宝珠院(弁財天)(港区芝公園4-8-55)
港七福神の一つで、真っ白なお顔にカラフルな衣装の弁天さまです。三井寺を開山した円珍が9世紀半ばに彫ったといわれています。お寺は東京タワーの足下にある増上寺の塔頭で、近年建て替えたと思われる斬新なデザインの堂宇が目を引きます。他に江戸前期の作で高さ2mもの閻魔大王像や、蛇・蛙・なめくじの「三すくみ」石像もありました。三すくみとは「蛇は蛙を食べ、蛙はなめくじを丸飲みにし、なめくじはその毒で蛇を溶かす」というものです。つまり三つの物が互いに得意な相手と苦手な相手を持ち、それで三者とも身動きがとれなくなる状態のことです。お馴染みなのはグー・チョキ・パーです。

白塗りの弁天さま

来世でお世話になりたくないな

☆芝公園もみじ谷(芝公園4-10-17)
幽谷を想わせる(オーバーか)自然石を組み合わせた岩場、高さ10mの高低差を利用した滝など人工の渓谷です。一帯は名の通りのイチョウやケヤキ・クスノキなどが鬱蒼と繁るはずですが、今は乾燥した木々と常緑樹に包まれていました。

本来なら滝が流れているはずだが


☆東京タワー
(芝公園4-2-8)(入場料1200円)
昭和33年竣工、高さ333mと3並びで覚えた方も多いのではないでしょうか。来塔者はこれまで1億8千万人を超えたそうです。スカイツリーが建って高さ日本一の座は明け渡しましたが、もはやレトロといってもいい東京タワーの人気(コロナ禍前の年間入場者数約250万人)はまだまだ落ちていません。これまで土曜日催行という散策の慣例を、今回あえて平日にしたのは3蜜を避けようとの配慮からですが、予想どおり入場者はパラパラ程度で、ソーシャルディスタンスを十分にとれました。

150m部分にある「メインデッキ」展望台に上りましたが、そこから望む虎ノ門や汐留、赤坂や六本木方面は、平成になってから再開発による高層ビル化が進み、すっかり様変わりしていました。
NHK「ニュースウォッチ9」の気象情報のバックに写る東京タワーは、さまざまなキャンペーンの度に纏う光を変化させ、その意義を気づかせてくれます。その存在感は観光塔以外にも大きなものがあります。

リニューアルでフロアーの一部を硬質ガラスにして、真下がのぞける「ルックダウンウインドウ」ができました。タワーの脚を通して見える地上に、高所恐怖症の私にとっては尻がムズムズする恐怖を味わいました。

東京タワーは元早大教授の内藤多仲の作品です。彼は“塔博士”といわれ、さっぽろテレビ塔・名古屋テレビ塔・通天閣など代表的な塔の設計や、大隈記念講堂の構造設計を手がけました。新宿区にある彼の邸宅は「早稲田大学内藤多仲博士記念館」(非公開)として早大の手によって保存・管理されています。

『すっかり変わったなぁ』

恐怖のシースルー床

東京タワーからぶらぶらと歩いて5分、大江戸線赤羽橋駅に到着し、50回を寿ぐ散策はわずか2時間10分で終わりました。20日に東京は桜の開花宣言、「まんえん防止等重点措置」が解除になったのが21日と喜んだのもつかの間、22日は氷雨のあと降雪、そしてこの23日は曇りで最高気温が11度とまた冬の気温。参加者がわずか10名というのもあり『めでたさも中くらいなりおらが旅』でした。

【散策後の懇親会】
やはり今回も新型コロナウイルス感染防止のため、行いませんでした。

【参加者】
荒木・伊藤(徹)・大河原・大河原夫人・梶川・栗原・佐藤・瀧川・滝沢・松村(10人)

(文=佐藤(俊) 写真=荒木・松村・佐藤)

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