西新井大師と伊興七福神を詣でる
令和2年1月11日(土)
令和最初の正月、三連休の初日、遠いこの地に集まったのは毎日が連休の方々20名でした。今回は散策の会の「未踏区解消ツアー」第2弾として足立区を選び、西新井大師の参拝と近くの「伊興七福神めぐり」を企画しました。ただ疲労を考慮して、やや離れた所にある「布袋」(法受寺)は割愛しました。それに外見だけの布袋さまなら参加者の中にも居ましたので。そんなわけで見学場所がほぼ直線上に並び、効率的なコースとなりました。思えば数を重ねて10回目の「七福神めぐり」になります。みなさん足腰が丈夫なのは、きっとこれまでの御利益でしょう。
☆西新井大師(足立区西新井1-15-1)
これまでに利用したことのない東武大師線の大師駅に集合しました。この駅は無人駅で、そのうえ自動改札機もありません。料金処理は1つ手前の西新井駅で行うという、都内では希有な仕組みです。小平からこの地を訪れるにはさまざまなルートがあり、そのいずれも3~4回の乗り換えが必要というかなり高難度の場所です。それでもここは東京で明治神宮(316万人)、浅草寺(283万人)についで第3位の54万人の初詣客が押し寄せる一大スポットなのです。ですから元日から10日も過ぎているのにまだ多くの参拝客を見かけました。
山門をくぐった先の広大な寺域の中に、見る者を圧倒する大伽藍がそびえ建っています。まずは本堂で参拝。そのあと露店の脇を抜け「塩地蔵」に頭を下げます。その横には都内では珍しい栄螺堂(さざえどう)である「三匝堂(さんそうどう)」があります。
さらに空海がもたらしたという井戸が大本堂の西側にあり、これが地名の「西新井」の由来とされています。
この寺は空海がこの地を通った際、悪疫に苦しむ人たちのために十一面観音像を彫り、寺を建立したのが始まりといわれています。「五智山遍照院總持寺」というのが正式な名です。川崎大師や観福寺大師堂(千葉県香取市)とともに「関東三大厄除け大師」の一つです。
☆恵比須 源正寺(伊興2-2-35)
西新井大師から25分。ここの恵比須さまは両手に釣り竿を持ち大笑いしていました。両手がふさがっているので鯛は足下に置いてあります。いや、もしかしたら釣り上げた瞬間なのかも知れません。
☆福禄寿・寿老人 福寿院(伊興2-18-18)
両像とも黒光りする立派な銅像です。脇には番外でもう一体大きな福禄寿の木像もありました。源正寺から10分ほど歩いたところで、併設の幼稚園の園庭を横切って入ります。
☆大黒天・毘沙門天・弁財天 実相院(伊興4-15-11)
ここは福寿院のすぐ向かいにありました。大黒天は全身黒ずくめで、目と口の中だけが白い、ちょっと不気味な感じです。毘沙門天はカラフルな立像で、邪鬼を踏んづけています…と書きましたが、この二天は展示期間が過ぎたとかで、残念ながら目にすることはできませんでした。疲れた足を引きずってここまで来たのに、私の最新情報の取得漏れで空振りをさせてしまいました。
またこのショックで、屋外にあったはずの「水かけ弁財天」の案内を失念してしまいました。重なる不手際をお詫びいたします。この弁財天は身の丈50cmほどの銅製で、大阪・法善寺の「水掛不動」のように柄杓が添えられています。そもそも弁財天は古代インドの河の神です。だから不忍池や井の頭池、銭洗い弁天や江ノ島と水に縁のある所に安置されています。でもここのように水を掛けるのは珍しいのではないでしょうか。
ところで、このお寺の本尊は聖観音菩薩像で、古くから「子育て観音」として地元の信仰を集めてきました。ただ12年に1度の開帳ですので、これも拝顔は叶いませんでした。ここは天平年間に行基により開山されたと伝えられる古い寺院で、「前九年の役」「後三年の役」(11世紀)で源頼義・義家父子が戦勝祈願をして寺領を寄進したといわれています。
☆舎人(とねり)公園(舎人公園1)
実相院から西にまっすぐ20分、小金井公園(80 ha)より少し狭いけど広大な公園(63 ha)が拡がっています。周囲に高い建物がないため、新年の空が一段と広く感じられました。公園は道路で東西に分けられていて、東側は大池や親水公園など自然と親しむスペース、西側は陸上競技場などスポーツ施設が占めています。今回は立ち枯れの草が浮かび、水鳥が泳ぐ大池の周りを少し歩いたあと、公園のど真ん中にある日暮里・舎人ライナー(自動運転)の「舎人公園駅」でひとまず解散しました。
【散策後の懇親会】
約8千歩を歩き終えた一同は西日暮里で山手線に乗換え、高田馬場に着きました。今回の会場は松村世話役がリサーチした「築地食堂源ちゃん高田馬場店」です。昨年暮れは若者達の間で「忘年会スルー」がトレンドになりつつあったようです。つまり飲み会が嫌われ始めたのです。でもここの元若者達はトレンドに関係なし。エビ・カニ・カキなどの入った「焼きアゴ塩だしの寄せ鍋」が好評でした。この日新装の国立競技場で行われたラグビー大学選手権決勝の早明戦で、下馬評を覆しワセダが勝利し、大学日本一になりました。このことも酒量を押し上げる要因となりました。
さて、「福」はたくさんGETして来ました。しかもこれだけ飲み食いできれば「無病息災」間違いなし・・・のはずです。今年も元気よく歩きましょう!
【参加者】
荒木・伊藤(徹)大河原・大河原夫人・大野・小川・國友・栗原・古林・小林(弘)・佐藤(俊)・末次・鈴木(昭)・滝沢・土井・中村・野村・福田夫人・松村・山本(20名)
(文=佐藤(俊)、写真=荒木)