第45回散策の会報告

早稲田のミュージアムをめぐる

令和元年9月28日(土)

背を伸ばし“ふり仰ぐ時計の塔”


いつも1万歩以上歩いていただいているので、今回は少し短く(約6千歩)・・・と選んだのがこのコースです。早稲田大学は既にある「坪内博士記念演劇博物館」や「會津八一記念博物館」に加え、3つ目に「早稲田大学歴史館」を、4つ目として「早稲田スポーツミュージアム」をと、続けざまに“ミュージアム”をオープンしました。今回は校友としてぜひ見ておきたいこの新しい2施設に加え、近傍にある「漱石山房記念館」も見学してきました。

あの頃“昂然と高張る胸”で“ふり仰ぐ時計の塔”は、50~60年後のいま、丸くなった背や曲がった腰を伸ばして見ても、すこしも変わらぬ姿でそこにあります。そしてその真下にはその間に大きく変貌した20名の方々の、それでも元気で母校愛に燃ゆる姿がありました。

我ら大隈さんの弟子! 不肖の弟子?(>_<)


☆早稲田大学歴史館(新宿区西早稲田1-6-1)
近年校舎が建て変わっていく早稲田の杜の中で、昔からのたたずまいを残す1号館の1階に平成30年3月に開設されました。中心にカフェテラスを配置し、その周りを回字形の展示エリアに設定し、大学の歴史に関するさまざまな資料を、デジタル媒体を活用して多様な切り口で展示しています。参加者のみなさんは“先哲の面影偲ぶ”心持ちで、“重ねきし歴史”をそれぞれじっくりとご覧になったようです。NHKの大河ドラマ『いだてん』の前半に毎回のように出てきた「天狗倶楽部」(武井壮が扮した早大生の押川春浪らのスポーツ団体)のユニフォームが、私個人としてはドラマのシーンと重なり印象深く目に入りました。また、大型スクリーンに投影されたキャンパスの空撮は、見慣れない角度からのものだけに思わず引き込まれてしまいます。

歴史館になった懐かしき1号館

ワセダベアに見守られて見学『未来の早大生』

「日本ロボット開発の父」加藤一郎教授のもとで開発『WABOT』

やっぱり大隈侯の周りに集まりました


☆漱石山房記念館(早稲田南町7)(入場料250円、ただし団体割引)
西早稲田キャンパスから出て今やコンビニに変わってしまった旧「三朝庵」の角を曲がり、早稲田通りに入ります。途中で「夏目漱石誕生之地」や、中山安兵衛(堀部安兵衛)が仇討ちの際、喉の渇きを癒すため大酒を飲んだという酒屋の前を通ります。この酒屋は今や「リカーショップ」との看板です。

夏目漱石誕生の地

さて、夏目漱石は引っ越し魔で生涯に16回も引っ越しましたが、明治40年から49歳で亡くなる大正5年までの9年間過ごした最後の家(漱石山房)の敷地に、この記念館は建てられました。漱石の生誕150年を記念して一昨年にオープンした新宿区立の施設です。漱石の生涯と数々の作品の紹介や、再現された書斎や客間などさまざまな資料が展示されています。漱石はこの書斎で「三四郎」「こころ」「道草」などを執筆したそうです。また裏には「漱石公園」があり、胸像や猫の墓があります。なお、漱石と早稲田の関係でいえば、彼は帝大生の身ながら、学資稼ぎのため明治25~28年に東京専門学校(早大の前身)の講師を務めていました。

こんな小さな机から珠玉の作品が生まれていきました

ところで今回みなさんをこの記念館にお連れしたのは、早大に近いこともありますが、実はここの名誉館長であり漱石の孫でもある女性(早大OG)が私と高校の同期生で、彼女に『ぜひ』と頼まれていたからです。ご足労をお掛けしました。

吾輩の墓? 猫塚である


☆早稲田スポーツミュージアム(戸山1-24-1)
記念会堂の跡地に建てられた「早稲田アリーナ」の3階に今年3月オープンしました。ここでは長い早稲田スポーツ史の中での栄光のシーンや、さまざまなエピソードを豊富な写真や映像等で展示しています。小平稲門会員だった故山中毅さんの「スポーツ功労賞」受賞の写真もありました。窓の下には「戸山の丘」(メインアリーナの屋上)の若木と芝生が9月の夕暮れの薄日を受けています。“栄光はみどりの風に”乗って、若きアスリート達にきっと届くことでしょう。ところでこの日はメインアリーナで、NHK主催の「ラグビーワールドカップ2019」の8Kスーパーハイビジョンによるパブリックビューイングが行われる日でした。それもV候補のアイルランド対われらがジャパンとなれば、赤白のジャージを着たファンが多く行き来する姿が目に入ります。「見たいなァ」という誘惑が袖を引き続けます。でもこの後の懇親会の会場をドタキャンするわけにもいかず、地下鉄早稲田駅に向かいました。

山中毅さんおめでとうございました!!


【散策後の懇親会】
前回に引き続き、また会場が高田馬場の「土間土間」になってしまいました。会場選択の過程で安全弁が働いたせいかもしれません。会場に到達した時はラグビー試合が佳境に入った頃。私といえばスマホのテレビ画面に目は釘付けで、何を飲み食いしたかはほとんど記憶にない状態でした。やがて日本の大金星が伝えられ、みなさん上機嫌で杯を重ねられ、そして「豪華海鮮ちゃんこ鍋」(?)がカラになり、お開きとなりました。記念すべき一夕でした。

【参加者】
荒井・荒木・伊藤(徹)・小川・国友・栗原・古林・佐藤(俊)・佐藤夫人・篠原・鈴木・滝沢・千葉・飛田・土井・中村・野村・松村・横田・山本(20名)

(文=佐藤(俊)、写真=荒木)

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