第129回ニモクサロンの報告

・日 時:2023年12月14日(第2木曜日)12:00~14:00
・場 所:東大和市駅前ビックボックスC5室 電話 042-566-6892
・会 費:2,000円
・参加者(敬称略、五十音順):11名。荒木・井垣・伊藤(徹)・小平・佐藤(俊)・竹内・野村・比留間・松村・山本・横田

《報告》
今日は悲しいご報告から始まりました。
時々参加されて、観劇の会のお誘いをして下さっていた穂積さんが心筋梗塞で突然旅立たれたそうです。ついこの間、花小金井に稽古場が出来た劇団『俳小』の校友を応援しながら、観劇の会の活動を再開したところだったのです。どれほどご無念だったことでしょう。
また、12月8日に「石井道彌&カラ・OK」を開いて下さった石井さんの奥様がその5日前に急逝されていらっしゃいました。奥様のお言いつけで、石井さんはそのことを秘めたまま、皆さんのために楽しい会を開いて下さり、ピアノ伴奏をして下さっていました。毎年ご一緒に仲良く参加して下さっていた奥様でした。会が終わるまで、何事もなかったように演奏をされていた石井さんはどれほどお辛かったでしょう。
穂積さんと石井さん奥様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

《今日の話題》
☆ 食事の後は、今年一番の嬉しかったことは?というテーマで話が始まりました。
松村さんから3人目の孫の誕生のご報告がありました。すかさず、山本さんからひ孫が誕生しましたとのご報告。さすがにニモクサロンの年齢層は厚いですね。お二人のご感想は?  異口同音に、「可愛い!!」 (昔、子育て手伝っていないもんネ!)。
☆ 勿論、佐藤(俊)さんと井垣さんからは、阪神の優勝!  誰もが知っているトラキチさん。でも花小金井に応援団が有るとは知らなかった・・・。
☆ 小平さんから、中東危機の様々な問題が、資料と共に解説され、皆さんの知識も加わって、今日は大変勉強をさせて頂きました。

平和な日本にいる私達は、何となく他人ごとのように思ってしまいがちですが、「もしトランプ氏が大統領になったら?」という誰かの一言には、やはり日本も関係ないではいられないと、ぞっとしました。
☆ 少し早いですが、もう皆さんの話題は来年の行事に・・・。1月6日(土)の七福神巡りは初めて松の内の実施とか。御朱印を押して頂けたり、七福神が飾られて居たりとか良いことが色々あるそうです。牛込あたりをめぐり、歩く歩数も7,000歩位と高齢者向きとか・・・。乞うご参加!
☆ 7日には「新春歩け歩けのつどい」ウォーク。「小平稲門会」の旗のもとに集合です。
☆ 国分寺稲門会主催の古民家での音楽会の話題も出ました。

●尚、14:00から2時間カラオケの会開催、10名の方が参加されました。
参加者(敬称略、五十音順):10名 荒木・伊藤(徹)・佐藤(俊)・竹内・野村・比留間・松村・山本.。お客様:上田会長・平前会長(東大和稲門会)

(文責:荒木)

 

第78回ワイン研究会報告

12月15日、「こもれび」でワイン研究会が開催されました。会場はスノードームをはじめ、クリスマスムードいっぱいの飾りつけでした。「こもれび」さんの配慮に感謝、感謝。

会場はクリスマスムードいっぱいでした


今回の目玉は佐藤さんが持参された「田中角栄」ブランドの赤ワイン。地元長岡に帰省された時購入されたとのこと。ブドウの種は不明ですが、重めのいいワインでした。最近再評価されている田中元総理、「角栄死してワインを残す」、もっとも角栄さんが愛飲されていたのはウイスキーのオールドパーだったと思いますが。
新潟は日本のワインの父と称される、川上善兵衛さんが日本初の醸造用品種マスカットベリーAを開発された地でもあります。

体格がいい事、おそらく小平稲門会で一番の上村(かみむら)さん、180センチ超える身長、100キロを超える体重、なんと会社では相撲部に所属し、まわしをつけて稽古されていたとか。堂々たる体躯で圧倒されます。
静かにワインを飲まれる姿は「底なしか!」とも思われます。

今回は8名の参加、参加人数は少ないですが、その分皆さんの話が盛り上がり、6本飲み干しました。楽しくて酒が進む、との賛辞をいただきました。
今回飲んだワイン。左から、LOBETIA(スペイン、赤、テンプラニーニョ)、田中角榮(日本、赤、品種不明)、 MOUTARD(フランス、、白、スパークリング)、Schloss Koblenz(ドイツ、白、リースリング)、Boda Bianco(イタリア、白、シャルドネ)、Vieilles Vignes(フランス、白、シャルドネ。画像なし)。

今回の参加者

山本さんから「会長、秘蔵のオーパスワンを持参しろ」と責められています。オーパスワンは来年のお愉しみ。今年1年、おいしいワインを持参いただいた皆さん、ありがとうございました。よいお年をお迎え下さい。

*来年1月19日(金)は店の都合で2時からになります。1時間早くなります。

【参加者(50音順、敬称略)】8名
井垣、上村、河崎、國友、佐藤(俊)、富平、野村、山本

(文責・河崎)

第26回美術館を巡る会のご案内

東京国立博物館「本阿弥光悦の大宇宙」展のご案内

本阿弥光悦をご存知でしょうか。
本阿弥家は、もともと刀剣鑑定の名門でした。
光悦(1558-1637)は戦乱の時代に生き、刀剣鑑定のほか、書家、陶芸家、漆芸家、茶人として、独自の世界観を作り出し琳派の祖とも言われています。
(尾形光琳、乾山兄弟の曽祖父の妻が光悦の姉でもありました)

徳川家康から、京都鷹峯9万坪の土地を賜り、様々な工人(職人)が集う「光悦村」ができました。本展では国宝、重要文化財を中心とした光悦芸術の素晴らしさ、それを支えた日蓮を祖とする法華宗(日蓮宗)の影響にも迫る「本格展」です。
厳冬を過ぎ、春間近のとき、日本文化の底流に触れてみませんか。

懇親会は高田馬場「石庫門」で「本格」を緩めましょう。

・日 時: 2024年2月27日(火)15時30分-17時
・集 合: JR上野駅 公園口改札 15時
鑑賞料: 2,100円(1月15日までは前売りで1,900円)
 チケットはめいめいでお求め下さい。
展覧会公式サイトで購入できます。チケットの買い方不明の方は若林まで相談下さい。
・懇親会: 高田馬場・石庫門 17時30分 電話 03-5292-1991
・申し込み締め切り日: 2月20日(火)若林覚 宛
電話: 090-2498-1512
Email: satowaka3(at)gmail.com 【(at)を@に置き換えてください】
 (以 上)

第78回ざる研 日本橋「御清水庵清恵」報告

・日 時:2023年12月12日(火)13時10分から14時45分
・場 所:中央区日本橋室町1-8-2日本橋末広ビル 電話03-3231-1588 土祝・休
・参加者:天城満利子、井垣昭、伊藤徹、今井右子、大河原忠彦、大河原真世美、河崎健治、木本芳樹、小林弘子、先山厚子、篠原泰子、百々謙治郎、福田豊、福田静代、山本浩、若林覚(16名)

2019年12月以来4年ぶりに訪問しました。4回目です。年末ならではの、せいこがに(ずわいがにの雌)姿盛りと越前(福井)郷土料理、銘酒黒龍を楽しみ、越前おろし蕎麦で〆ました。

御清水庵清恵の店内。窓の外は日本橋川

ランチタイムのピークが過ぎた後、日本橋川に面した奥の18席を貸切りました。
日本橋川は神田川の分流で、JR水道橋駅近くの小石川橋で神田川から分岐して真南に流れ、以降は首都高速道路の高架下を流れて“日本橋”の下を通っています。

参加者は16名。女性7名、男性9名。初参加者は天城満利子さん、今井右子さん、先山厚子さんです。天城さんは小林弘子さんの小学生時代からのお友達だそうです。先山さんは最近小平稲門会に入会されました。

13時に日本橋三越本店正面入り口のライオン像前で待ち合わせ。雨が心配されましたが降ることもなく、寒くもない天候で、時間通りに集まって徒歩3分のお店に向かいました。
「御清水庵清恵」は日本橋のすぐそばにあり、隣は天ぷらの「天松」です。

献立:せいこがに姿盛り、ぴりからこんにゃく(勝山)、へしこ(若狭)、鯖の燻製(1/4身)、里芋の煮ころがし(上庄かみしょう)、厚揚げ焼き、焼き鯖寿司、越前おろし蕎麦 【( )内は産地】

“へしこ”とは、若狭地域の伝統料理で、魚の内臓をとりだして塩漬けし、さらに糠漬けすることで腐らせずに長期保存できるそうです。塩辛いですが、日本酒のつまみにはとてもよいです。

ビールで乾杯した後、初参加の皆さんをご紹介し、「ざる研の歩み」を贈呈しました。「ざる研の歩み」は、第3版(本文78ページ)を11月に発行しました。

せいこがに姿盛り、ぴりからこんにゃく(勝山)、へしこ(若狭)が次々に出され、「日本酒は未だですか」の声が早速あがりました。お店も皆さんも出足が速いです。
日本酒は黒龍の純吟です。一人1合、2合8本をすぐに出してもらいました。美味いです。
亭主自慢の鯖の燻製が出ました。「お客さんの評判がいいです」とのことで、私も初めてでしたが、確かに美味しいです。脂の乗りのよい鯖でした。
辛いものの後、里芋の煮ころがし、厚揚げ焼きが出ました。上庄の里芋は固く締まっていて煮崩れしないことが特徴だそうです。〆はもちろん、越前おろし蕎麦。

店内で撮影。師走の午後をゆったりと過ごしました


次回、第79回ざる蕎麦研究会は2024年3月上旬に小平市青梅街道駅の佳蕎庵で開催予定です。
(以 上)

(文=木本芳樹、写真=福田豊、木本芳樹)

第77回ワイン研究会報告

11月17日、定例のワイン研究会が「こもれび」で開催されました。奇しくも前日の16日はボジョレヌーボーの解禁日。最近は国産ヌーボーも評判ですがやはり、ボジョレは魅力です。

ボジョレについての蘊蓄を少し。ボジョレは地区の名前、リヨンの近郊、ブルゴーニュの南端地区に当たります。セパージュはガメイ種、ボジョレ地区はブルゴーニュと違い、花崗岩質で気候温暖、ブドウがよく育ち、大量生産できます。

通常ブドウは秋に収穫しても熟成させるため、最低でも翌年3月が一番早い出荷ですが、ガメイ種は「マセラシオン・カルボニック」という近代的醸造法で醸造、発酵させるため、フレッシュでフルーティなワインに仕上がります。
ボジョレにもランクがあり、ボジョレ→ヴィラージュボジョレ→クリュボジョレの順番に価格が高くなります。クリュになると1万円台です。今回はヴィラージュボジョレを皆さんに堪能していただきました。

味? わからないのが正直なところ。日本のヌーボーは、甲州はマスカットベリーAで醸造されますが、人気が上がっています。

今回のワイン研、木本さん持参の1升ワイン、通常の倍以上の容量です。飲み干せるか、と心配したのですが、さすが飲んべの集まり、見事飲み干しました。また最後に山本さんが昔の中国出張の際、購入された、茅台酒、53度と強烈な度数ですが、こもれびの濃いコーヒーとよく合い、これも皆さんで飲みほしました。すごい!!

飲み干したボトル


今回は小林市長のお母さまにも参加いただき、11名での開催でした。

ワイン研究会の第77回例会に参加したメンバー


【参加者(50音順、敬称略)】11名
伊藤(徹)、河崎、木本、國友、小林(市長の母)、篠原夫妻、冨平、野村、牟田、山本

(文責・河崎)

第59回散策の会
「新宿山ノ手七福神めぐり」のお知らせ

1.日時・集合場所
令和6年1月6日(土)午後1時
都営地下鉄大江戸線 牛込柳町駅 西口の地上に集合

2.経路
牛込柳町駅→経王寺→厳嶋神社→法善寺→永福寺→稲荷鬼王神社
→西武新宿駅

3.参考情報
(1)歩数は約7千歩。

(2)都営地下鉄はシルバーパスが使える。
(3)解散後、希望者のみで懇親会を予定。

参加の申し込みは1月4日までに佐藤(俊)の下記あてにお願いいたします。
t-sato(at)ion.ocn.ne.jp【 (at)を@に置き換えてください 】
または
090-9149-8977
(以 上)

劇団「遊戯空間」公演「吉良屋敷」の鑑賞報告

チケットが取れないということで、皆さんにご案内できず、しかも我々も全員が参加できないという状況でしたが、観劇の会を代表して竹内会員が参加し、感想を寄せてくれました。(観劇の会・穂積健児)

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2023年11月4日

私(竹内)の高校の同級生で、横浜演劇鑑賞協会運営委員の井田美紀子さんより演劇鑑賞のお誘いがあった。彼女の「企画・制作」で、「劇団『遊戯空間』公演」『吉良屋敷』が両国のシアターχ(カイ)で上演されるとのこと。井田さんが小平稲門会に紹介してくれた「劇団俳小」(小平市花小金井南町に昨冬移転)からも、主力俳優の大川原直太さんが出演するという。

ところが「観劇の会」の皆で参加しようと日程調整をしているうちに、チケットが早くも完売間近、残り1枚となってしまった。コロナの沈静化が見えてきた今、盛り上がる小劇場演劇の人気の高さを思い知らされた。やむをえず、情報を受けた張本人の私が代表で観に行くこととなった。

劇は「赤穂浪士討ち入り」のその日を、吉良屋敷の内側から、つまり仇討ちされた側の視点から描いたもの。配役は「民藝」「俳優座」を始めとする各劇団からの選抜メンバー。いやが上にも盛り上がった。

討ち入りのその時、襖が三枚、舞台の真上から轟音とともに滑り落ち、宙ぶらりんで揺れる。前進座の面々が参加した「殺陣」の凄いこと。

休憩なしの1時間40分を堪能し、思った。
「もう一度、観たい!」

観劇の会 竹内吉夫(1974商)

第62回ゴルフコンペ(秋季)の報告

11月中旬、さすがに猛暑も一服し、寒さに震えた朝、第62回小平稲門会ゴルフコンペが開催されました。かつては5組20人で競った本会も今回は参加者6名、コンペと名乗るには少し恥ずかしい参加者数でした。しかし、今年稲門会に入会された能川さんが初参加され、久々の新人加入です。

青梅ゴルフ倶楽部でのコンペに参加した6名


11月13日(月)、場所は青梅ゴルフ倶楽部、6名2組でのコンペです。やや肌寒いものの、青空が広がるゴルフ日和。青梅ゴルフ倶楽部は翌日からの第21回多摩シニアオープンオノフカップを控え、のぼり旗がはためく華やかな雰囲気でした。

青梅ゴルフは結構距離が長いので皆さんスコアメイクに苦労され、ベスグロが104、残念ながら100切りはゼロでした。また、ニアピンも4回のチャンスで乗ったのはただ一人、1回のみ。

優勝は会長の増田さん、準優勝は千葉さん(外部参加)。

優勝したゴルフ同好会会長の増田さん(左)と筆者


来年は5月21日(火)、何とか西武園ゴルフ場での開催を目指します。会員の皆さんの参加、宜しくお願いします。

【参加者6名(敬称略)】 河崎、千葉、百々、能川、増田、松本(研)

(文責・河崎)

第128回ニモクサロンの報告

・日 時:2023年11月9日(第2木曜日)12:00~14:00
・場 所:東大和市駅前ビックボックスC5室 電話 042-566-6892
・会 費:2,000円
・参加者(敬称略、五十音順):10名。荒木・石井(道)・伊藤(徹)・小平・鈴木(昭)・野村・比留間・松村・山本・横田

《報告》
今日は、少し贅沢?な昼食会になりました。
実は改装が終わってから、昼食のメニューは、私達もカラオケ室用の簡単なものになりました。が今日から、コックさんからのお申し出で、お店と同じものを注文させて頂けるようになりました。メニューもずっと増えました。皆さんご満足頂けましたか?(^-^)
《今日の話題》
☆ 今日のニモクサロンのスターは、お久しぶりの石井道彌先輩でした。いつもは皆さん、お代わりも生ビールだったのに、今日は2杯目は石井さんとご一緒にハイボールを飲んでウィスキーの話。
早慶戦のチアガールとして頑張っていらした美しいお孫さんの話も。
比留間さんが、石井さんが原語でシャンソンを歌う会や、仲町公民館のジャズでご活躍だともご紹介して下さり、皆さんますます称賛!!
☆ K・K・メンネルコールの演奏会にいらした方達から、舞台での会長勝見さんが立派だったとお話がありました。仲間の活躍は嬉しいものですネ。
☆ 総会での津軽三味線の演奏が素晴らしかったという話も盛り上がりました。津軽三味線の皮が何で出来ているかという話から、出演料は幾らなのかという話まで、ニモクサロンのメンバーは個性豊かな方々なので、良い音色でしたネだけでは終わらずに、ここでも楽しい話題が次々と奏でられていきました。
☆ 散策の会が終わったばかりで、今日はお休みの佐藤会長さんに代わって、参加メンバーから様々な感想や思い出話、知識が追加披露されました。民芸品、プロレタリア文学、前田家・・・、早稲田大学卒業生は博学ですね。
因みに次回散策の会は、恒例の七福神巡り。皆さん揃って1年の福を頂きに参りましょう。(懇親会は小川さん御用達のお店で飲みました!)
☆ 小平さんから「小平市民便利帳」が紹介、回覧して下さいました。1年に1回発行され、中央公民館に有るそうです。なかなか便利です。
☆ 前回話題になった「小金井カントリークラブ」について、小平さんが詳しく調べて来て下さり、更に話は発展して、小金井の話、小平の歴史、比留間家の話、江戸時代だの徳川家だのと時空を飛んでの賑やかな話が続きました。(ひとつ女性として気に入らなかったのは、小金井カントリーが、女性にプレーをさせなかったという話でした)(>_<)
●尚、14:00から2時間カラオケの会開催、7名の方が参加されました。
参加者(敬称略、五十音順):7名。荒木・伊藤(徹)・小平・野村・比留間・松村・山本 
★次回は東大和市稲門会から2名の方がご参加下さるそうです。

(文責:荒木)

第58回散策の会報告
駒場界隈をめぐる

令和5年11月8日(水)

前日の東京都心は最高気温が27.5度と、11月の観測史上最高を100年ぶりに更新しました。散策当日は立冬でしたが、それでも平年よりかなり高い21.6度と秋晴れの一日でした。

東大駒場キャンパスから駒場公園一帯は、江戸時代には笹が一面に生えていた将軍家の鷹狩場で、「駒場野」と呼ばれていました。その後、明治政府は明治11年にこの原野を利用して「駒場農学校」を開校し、先進国の農業技術を積極的に導入した農業の教育・研究機関としました。後の東大・筑波大・農工大の農学部の前身です。そのためこの一帯は「近代農法発祥の地」とも呼ばれています。

つかの間の王侯気分


☆ケルネル田圃(駒場野公園内)(目黒区駒場2-19-70)
明治政府は明治14年ドイツから農芸化学の教師としてオスカル・ケルネルを招きました。
彼は土壌や肥料の研究に力を注ぎ、11年間も在日しました。ここが彼の手掛けた我が国初の試験田です。今は近所の筑波大学駒場中学・高校の生徒の手によって田植え・稲刈りが行われ、収穫された米は卒業式や入学式に赤飯にして生徒達に提供されています。下見の時に首を垂れていた稲穂はもうすっかり刈り取られ、10体以上あった案山子も姿を消していました。


☆日本民藝館(駒場4-3-33)【入場料1,200円】
展示品には題名以外の解説文はなく、これは「知識を持つ前に、まず無心に物と向き合うように」という開設者柳宗悦(やなぎむねよし)の信条に基づくものだそうです。じっと眺めていると確かに対象物からの語りかけが聞こえてきたような気がしました。ここは日常雑器など無名の工人たちの作品の中に“美”を見出し、これを世の中に紹介しようとする「民藝運動」の場です。柳宗悦が収集した工芸品を展示していて、昭和11年に自宅の隣に開館しました。玄関は大谷石、床は黒光りする板張りで、2階は白壁の温かみのある建物でした。今回は特別展「西洋工芸の美」の方が常設展より広い展示面積を占めている珍しい展示でした。

また運よくこの日は柳宗悦の邸宅だった西館も公開されていたので、しっかり鑑賞してきました。ここは宗悦が72歳で没するまで生活の拠点とした所です。両館とも都の有形文化財に指定されています。

なおNHK「趣味の園芸」のレギュラーで小平市在住だった園芸研究家の柳宗民は宗悦の三男です。また、宗悦夫妻の墓は小平霊園にあります。

どんなものがあるのかな?

柳氏邸宅の長屋門.。背後は東大の生産技術研究所など


☆旧前田家本邸の洋館と和館(駒場公園内)(駒場4-3-55)【無料】
前田家16代当主の前田利為(としなり)侯爵が昭和4年に建築した邸宅で、国の重要文化財です。地上2階、地下1階で、化粧レンガ張り、イギリスのカントリーハウス風の意匠でまとめられています。隣には2階建ての和館もありました。完成当時は個人の邸宅としては東洋一といわれ、使用人が100人以上いたそうです。本郷にあった加賀百万石前田藩の上屋敷跡(1万坪)がその後東京帝国大学の校地拡張のため、ここ駒場の4万坪の土地と等価交換されたのです。その後持主は変わり、戦後は連合国軍最高総司令官リッジウェイ大将の官邸になったこともありました。昭和39年に都が買収し、42年に都立駒場公園として生まれ変わりました。東大駒場キャンパスを左右に振り分ける形で存在しています。古き良き時代に生きたセレブの桁違いの生活ぶりをどう感じられましたか?

☆日本近代文学館(駒場公園内)(駒場4-3-55)【入場料300円】
ここは日本の近代文学に関する図書・原稿・書簡など120万件の資料が保管・展示されています。昭和38年に高見順・伊藤整・川端康成らが、文学資料の散逸を危ぶみ呼びかけた結果、1万5千人に及ぶ人々から資料が寄贈され、それを基に昭和42年に開館しました。
パソコンやメール機能を使い執筆している現代の小説家たちの原稿・書簡といった遺産は、今後どんな形で残されていくのでしょう? 原稿用紙を埋める字癖、修正、ペンの太さ、インクの色、校正の赤などが入り混じっての個性の面白さは、やがては消失していくのでしょうか。

☆東大駒場キャンパス(駒場3-8‐1)
元は駒場農学校の校地でしたが、昭和10年旧制第一高等学校の校地となり、戦後の学制改革により、新制大学の東大教養学部へ移行されました。早稲田同様古い校舎は少なくなってきて、高層の新校舎が目立ちます。でも大隈記念講堂しかり、安田講堂しかり、ここの旧一高本館もそう、やはり昔ながらの時計台は大学のシンボルにふさわしいですね。
なお、時計台は国の登録有形文化財です。(大隈記念講堂は重要文化財)

旧一高本館


今回の散策は駅から近かったせいか、施設内での見学も含めて歩数は約6,500歩といつもより少な目でした。

【散策後の懇親会】
♪ 嗚呼玉杯に花うけて…ではなく喉に泡うけて、ビアグラスという日常雑器の中にあふれる琥珀色に、ひとしおの美を感じるひと時でした。これにはどんな解説も不要です。会場は吉祥寺駅前の「戎ビアホール」。何人かの会員とは年に一度まみえる地下空間でした。

【参加者】
荒木・伊藤(徹)・大河原・大河原(眞)・梶川・梶川(公)・北橋・小林(弘)・佐藤(俊)・末次・瀧川・竹内・松村・山本・山本(裕) (15名)

(文=佐藤(俊) 写真=松村・佐藤)