エンドウには、キヌサヤ、グリンピース、スナップエンドウの3種類があります
この3種類は収穫期も違います。
キヌサヤは、さやが平たく、さやの中の豆の粒がまだ目立たないうちが収穫の適期です。
グリーンピースは、さやがパンパンに膨らんで、豆が太ってきたら収穫です。さやが黄ばんでくるととり遅れなので、緑色の鮮やかなうちに収穫です。
スナップエンドウは、実が大きくなってもさやが固くなりません。さやが大きくなり過ぎないうちに収穫しましょう。
エンドウの新芽を10cmほど摘みとったものが、中華料理に使われるトウミョウ(豆苗)です。豆苗から始まって、キヌサヤ(あるいはスナップエンドウ)→グリーンピース→エンドウマメとエンドウの旬は長く、春から秋まで続きます。
豆苗は、葉野菜と同様にビタミン類やカルシュウムを多く含みます。
キヌサヤは、マメ類の中ではビタミンCが最も多く、100g中に55mgも含まれており、100gを食べれば成人の一日の所要量(50mg)を超えるほどです。このビタミンCは加熱による損失が少ないのが特徴です。ビタミンA(カロテン)の効力とともに、グリンピースの約2倍、エンドウマメの約2.5倍も含まれています。
一方、グリンピースになると、エネルギー、たんぱく質、繊維質、糖質、脂質が多くなります。リンと鉄分も大幅にアップします。リンはカルシウムなどと結合して骨を形成し、鉄分には造血作用があります。
完熟させてエンドウマメになると、エネルギー量は更に増え、糖質をエネルギーに変換する働きのあるビタミンB1も増加します。反対に、生野菜に多く含まれるビタミンCはなくなります。
ツタンカーメンのエンドウ伝説があります。
エジプトのツタンカーメン王の墓を発掘した時に、副葬品の中から発見されたというのが「ツタンカーメンのエンドウ」ですが、実際には伝説の域を出ないもので、副葬品のリストにエンドウは載っていないそうです。
ただし、ギリシャ、ローマ時代にすでに栽培されていたので、ツタンカーメン王がエンドウを食した可能性はゼロとはいえなさそうです。
(2022.7.31)
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