第39回ワイン研究会 報告

ワイン研究会の第39回例会を6月30日(金)に開催しました。

・日  時: 平成29年6月30日 15時-17時
・場  所:  カフェ「カサ グランデ」(西武多摩湖線・一橋学園駅傍)
・参加者: 荒木、井垣、伊藤(徹)、小川、小平、河崎、国友、佐藤(俊)、篠原夫妻、志村、末次、冨平、野村、山本、以上15名 (50音順・敬称略)

会場の都合で定例の第3金曜でなくプレミアム金曜の開催となった6月例会。朝からの雨もあがって集まった15名。テーブルに並んだワインが11本。本場ボルドー、ブルゴーニュ産ではないフランスワイン4本、チリ2本、スロベニア1本に、日本ワインがなかった前回の挽回とばかりこの日は日本のワインが4本、うち1本を残して10本をたっぷりと味わう会となった。

久しぶりのご出席で少し緊張気味? 「乾杯!」

久しぶりのご出席で少し緊張気味? 「乾杯!」

スパークリングワインでの乾杯を自粛中とあって、今日のソムリエ役・小川・野村両氏の悩みは乾杯ワインをどれにするかだった。「これで始めましょう」と取り出したフランス産白ワインを見て「そのボトル、ドイツワインみたい」との声に「これはライン河を挟んでドイツ国境に接するアルザス地方の産だからでしょう」と早速の説明に、冒頭から研究会らしい雰囲気を漂わせながら暫くぶりに出席の志村さんの発声で勢いよく乾杯!で会は始まった。

またソムリエカードを引いちゃった!

またソムリエカードを引いちゃった!

「皆さん酔わない内に」と荒木さんから案内が二つ。一つは国分寺稲門会から届いた「国分寺寄席」の開催案内。同会の人気イベントとあって早速の申込みが相次いだ。もう一つが前進座の俳優で、脚本、演出も手掛ける志村さんの「志村智雄戯曲集」の出版案内。志村さんは、早稲田にもゆかりの埼玉・本庄市からの依頼で、同市出身の全盲の国学者・塙保己一の群読劇の8月公演を演出するなど活躍中。「本庄の街おこしを手伝っています!」

身振り手振りで演出家志村智雄さん

身振り手振りで演出家志村さん

白ワインを2本空けて次は赤、とフランス、チリ、スロベニアのワインのあとは、近年とみに世界の評価をあげている日本ワイン。この日唯一のロゼは「こころぜ」。昨年のワイナリーツアーで訪れたココ・ファームのロゼだから「COCO-ROSE」。次いで、一昨年訪れたシャトー酒折の「キスヴィン マスカット ベーリーA2009」も登場。おなじみのキスヴィンワイナリー設立(2013年)前、ぶどう栽培の天才と言われる荻原現KISVIN社長とシャトー酒折がコラボレーションしたワインという。さらに、メルローの傑作ヴィンテージといわれるシャトー・メルシャンの「桔梗ケ原2001」など、次々と日本ワインの逸品を味わった。

テーブルを囲んでワインも話題も尽きません

テーブルを囲んでワインも話題も尽きません

ワインに欠かせないこの日の料理は「ツナマヨごぼうサラダ」、「茄子ミート」「鶏手羽の甘辛煮」の三種。いつもながら例会のためのカサグランデ心尽しの特別料理に感謝!感謝! 「どんどんおいしくなって毎回楽しみです」と野村さん。
頃合いをみて「ワイキキタタイム」に。クイズ形式での出題も8回となってだんだんと難しくなっていく。「パリ最初のワイン学校を作ったのはどこの国の人?」「理想的な環境の下でも長年寝かせたワインは目減りする。1ミリリットル減るのに何年かかる?」など5問(出題・解答は「クイズワイン王」・葉山考太郎著・講談社刊より引用)。賑やかな例会もしばし静寂タイムに。

今日の問題は難しい・・・

今日の問題は難しい・・・

今日の乾杯ワインの産地・アルザス地方がフランスワインの北限産地ならば、スペインと国境を接するルーション地方がフランスの南限ワイン産地。このルーションのワイナリーが、花崗岩と石英の丸い小石という独特のテノワールで土壌改良剤「コフナ」を使ってぶどうを栽培して造った紅白二種のワインが登場。

「コフナ」の説明をする井垣さん

「コフナ」の説明をする井垣さん

この「コフナ」、農業大国フランスの土壌の劣悪化、作物の品質低下を防ぐために政府が国立パスツール研究所に命じて開発した微生物「コフナ菌」を使った土壌改良剤で、「実は私が勤めた会社はコフナの日本総代理店をやっていてこのワインの輸入・販売もわが社なのです」とワイン研会長。
「コフナを使って育てたコメ、野菜、果物が実に美味しいと評判、家庭園芸用もあります。楽農会でもぜひ試してみてください」との説明に、蓼科で菜園を楽しむ小川さんや楽農会の末次さんの目が輝いた。

しばしウイスキーの話で・・・

しばしウイスキーの話で・・・

楽しく談笑が続いて終わりに近づき、久しぶりに出席の小平さんに感想を求めると「研究会らしい雰囲気を感じましたが、実は私はウイスキー党です」と告白(?)。すかさず山本さんが「ウイスキーの一番おいしい飲み方」を披露するなど、しばしワインならぬウイスキー談義に花が咲いた。
ワインの心地よい酔いを賑やかな談笑に発散させているうち2時間がアッという間に過ぎていき、「次回も参加します」と手が挙がる中、第33回例会はお開きとなった。
ワイン研究会_201706_9_1
この後の恒例のカラオケ、10名が参加したが、「夫婦で同好会に参加させて頂いて1周年です!」とカラオケ大好きの篠原夫人から各種同好会で世話役をつとめる荒木さんに花束が贈られるサプライズもあって例会同様の盛り上がりとなった。

1周年お礼の花束

1周年お礼の花束

次回の例会は、7月21日(金)15:00-17:00、於 カサグランデ。会費は2,000円+ワンコイン(ワイン持参ない方。任意)。どなたでも歓迎。ただし、会場の都合で14名まで。申し込み締め切りは7月16日(日)ですが、早めに井垣(090-1196-1471)でお願いいたします。

(文=井垣、写真=荒木)




第13回映画鑑賞会の報告

1.鑑    賞    日    時: 2017年7月4日(火)
2.鑑    賞    映   画: 「新地町の漁師たち」(¥1,200人)
3.映        画       館: 東中野ポレポレ
4.参加者(敬称略): 小川 ・松村(純) ・鈴木 (3名)

《感  想》
この映画は「東日本大震災」で原子力発電所から海水への放射能漏れにより漁業ができなくなった福島県新地町の漁業者が、苦悩と海水の汚染水処理を巡り東京電力との交渉を画いたドキュメンタリー映画である。
漁に出て魚は獲れるが、それは単に魚が放射能に汚染されていないかを検査するためで、市場には出せない漁民の虚しさが感じ取れた。
また、東京電力との交渉では漁業者同士の意見が対立し、組合長をつるし上げにする場面なども描かれており、漁をする人たちの一日でも早く海に出たい気持ちが表れていた。
この映画の監督である山田徹氏は今年で弱冠33歳の若年であるが、2011年から月に一度、新地町に通い(途中1年間はいろんなことを考え過ぎてブランクあり)制作、撮影、編集まで全部ひとりで行った。

上映後にスクリーンの舞台で監督と文芸評論家の加藤典洋氏と二人で約30分のトークがあって、加藤氏からこの映画には子供、女性の出演が最後の一コマだけでは少なすぎる。今後海外での上映を考えているようなら、このことを考慮したほうが良いとの指摘をされていた。

《懇親会》
映画鑑賞後に映画館の11階にある「喫茶ポレポレ」にて1時間弱、参加者3人で懇親会を持ちました。
映画鑑賞会_201707_1

(文・写真: 鈴木   2017.7.5)

 

第17回寄席研究会報告

第17回寄席研究会は2017年6月28日(水)、新宿末廣亭で6月下席昼の部観賞会を開催しました。今回はいつも通りの落語協会担当の寄席でした。
寄席研究会_201706_1
出演者は春風亭一之輔、三遊亭円丈、柳家さん喬、林家正蔵、そして主任の柳家喬太郎とポピュラーな噺家が多いので、常連の会員の方にはいつもより早く入場する事をお勧めしておりました。ところが開演の30分以上前から行列が出来、私は昼食もそこそこに12時に入場しましたが、すでに1階椅子席は満員、桟敷席もほぼ一杯の状況で、2階席に案内される始末でした。学生時代から何回となく末廣亭には来ていますが、こんな事は初めてでした。
その為参加の会員7名は何とか入場出来たものの、野村さんご夫妻は入場出来ず、申し訳ない事をしてしまいました。

前半のお目当ては今若手で最も人気のある春風亭一之輔。泥棒に入りながら家人に同情し、なけなしの金をやって無一文になってしまうという噺でしたが、15分ではやや物足りない感じでした。新作落語の三遊亭円丈は相変わらずのハチャメチャな「強情灸」で観客を沸かせました。前半の最後はこの春、紫綬褒章を受けた柳家さん喬です。人情噺が得意だと思っていましたが、今回は廓での侍と町人の喧嘩に仲裁に入った料理人が、胡椒を振りかけてしまうという滑稽噺でした。

後半では出演順が入れ替わった寄席音曲の名手柳家小菊でスタート。三味線を弾き、端唄・俗曲・都々逸を楽しませてくれました。彼女が早稲田大学文学部卒(昭48?)だと今回知りました。昼の部トリは柳家喬太郎、枕の噺が長く、今日は落語をやらないのかと心配しましたが、漸く新作落語の祖父母と亡くなった孫とのしんみりした噺で締めてくれました。なお喬太郎の師匠は前半に登場したさん喬です。

終演後は恒例の末廣亭隣の焼き鳥屋「庄助」で懇親会を行いました。今回初参加の松村さんと村木さんに寄席の感想を話してもらい、色々な話題に発展して盛り上がりました。

次回は10月の開催を予定しています。是非ご参加下さい。

★参加者:国友、佐藤俊、末次、松村、村木、山本、伊藤徹、(野村さん夫妻)以上9名(敬称略) 

(文=伊藤、写真=山本)