第17回寄席研究会報告

第17回寄席研究会は2017年6月28日(水)、新宿末廣亭で6月下席昼の部観賞会を開催しました。今回はいつも通りの落語協会担当の寄席でした。
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出演者は春風亭一之輔、三遊亭円丈、柳家さん喬、林家正蔵、そして主任の柳家喬太郎とポピュラーな噺家が多いので、常連の会員の方にはいつもより早く入場する事をお勧めしておりました。ところが開演の30分以上前から行列が出来、私は昼食もそこそこに12時に入場しましたが、すでに1階椅子席は満員、桟敷席もほぼ一杯の状況で、2階席に案内される始末でした。学生時代から何回となく末廣亭には来ていますが、こんな事は初めてでした。
その為参加の会員7名は何とか入場出来たものの、野村さんご夫妻は入場出来ず、申し訳ない事をしてしまいました。

前半のお目当ては今若手で最も人気のある春風亭一之輔。泥棒に入りながら家人に同情し、なけなしの金をやって無一文になってしまうという噺でしたが、15分ではやや物足りない感じでした。新作落語の三遊亭円丈は相変わらずのハチャメチャな「強情灸」で観客を沸かせました。前半の最後はこの春、紫綬褒章を受けた柳家さん喬です。人情噺が得意だと思っていましたが、今回は廓での侍と町人の喧嘩に仲裁に入った料理人が、胡椒を振りかけてしまうという滑稽噺でした。

後半では出演順が入れ替わった寄席音曲の名手柳家小菊でスタート。三味線を弾き、端唄・俗曲・都々逸を楽しませてくれました。彼女が早稲田大学文学部卒(昭48?)だと今回知りました。昼の部トリは柳家喬太郎、枕の噺が長く、今日は落語をやらないのかと心配しましたが、漸く新作落語の祖父母と亡くなった孫とのしんみりした噺で締めてくれました。なお喬太郎の師匠は前半に登場したさん喬です。

終演後は恒例の末廣亭隣の焼き鳥屋「庄助」で懇親会を行いました。今回初参加の松村さんと村木さんに寄席の感想を話してもらい、色々な話題に発展して盛り上がりました。

次回は10月の開催を予定しています。是非ご参加下さい。

★参加者:国友、佐藤俊、末次、松村、村木、山本、伊藤徹、(野村さん夫妻)以上9名(敬称略) 

(文=伊藤、写真=山本)

 

第16回寄席研究会報告

第16回寄席研究会は、平成29年2月20日(月)恒例の新宿末廣亭で2月中席昼の部観賞会を開催しました。

末廣亭は落語協会(会長・柳亭市馬)と落語芸術協会(会長・桂歌丸)が10日毎に交替で担当する定席寄席です。浅草と池袋の寄席も同じシステムをとっていますが、上野鈴本のみ落語協会オンリーです。他に立川流と円楽一門会がありますが、いずれも落語協会を脱退し結成したため定席寄席への出演は叶わず、ホール落語等を自力で開催しています。
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今回は第5回以来久しぶりに芸術協会担当の寄席を鑑賞しました。
出演者にあまりポピュラーな噺家が少なく(と言うよりほとんど知らない人ばかり)、いつもとは様変わりで、昼の部終了までに1階椅子席は何とか満席となったものの、桟敷席はほぼ半分の入りでした。お陰で参加者6名全員が真ん中に集まって観る事が出来ました。

今回の寄席は落語よりもそれ以外の色物の方が好評だったようです。
女流講談の第一人者的存在の神田陽子の、若き日の西行法師が和歌を山小屋の老夫婦に添削される話は聞き応えがありました。またチャーリーカンパニーの、セレモニーホール前での受付と酔っ払いの勘違いのやりとりに会場全体が大笑いでした。肝心の落語のほうは、立川談幸(談志の内弟子で2年前に協会に復帰)と柳家蝠丸(ふくまる)に期待していたのですが、残念ながら場内のざわつきにも影響されて中途半端なものでした。

昼の部トリの三笑亭可楽も目が不自由になった事もあり、昔の可楽のイメージとは全く変わり、落語ならぬくどきに終始してしまったのは残念でした。

終演後は恒例の焼き鳥屋「庄助」で懇親会を行い、今日の寄席の感想で盛り上がりました。次回は6月頃の開催を予定しております。

 ★参加者:井垣、佐藤俊、末次、野村、山本、伊藤徹 以上6名(敬称略)

                 (文=伊藤、写真=山本)

第15回寄席研究会報告

第15回目の寄席研は、10月7日(金)に恒例の新宿末廣亭で、10月上席昼の部観賞会を開催しました。
寄席研究会_201610_1今回の寄席は桃月庵白酒、春風亭正朝以外あまりポピュラーな噺家がおらず、いつもの寄席研と違って昼の部終了までに1階席が全部埋まらない状況でした。ただ、いつもは男性客が8割近くを占めるのに、今回は女性客が半数以上を占めていたようでした。
今回の会員の参加は、コアメンバーの方が他の行事と重なってしまい、5名と少し寂しい観賞会でした。

前半の部でまずびっくりしたのが柳家小三太。先代小さん門下で、真打ち歴20年以上のはずですが、前座の下手さとは異質のとんでもない噺家という感じでした。その後に早稲田大学OBの若手桃月庵白酒が登場。「短命」という艶話でしたが、15分では物足りない気がしました。
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後半の部は、大ベテラン川柳川柳の落語ならぬ歌謡漫談、春風亭正朝のお馴染みの「目黒のさんま」と続きました。
トリは桂才賀、私は彼の事はよく知らなかったのですが、二つ目時代8年間「笑点」に出演し、刑務所慰問1,000回以上で社会貢献表彰を受けています。本日のお題は素人作品募集からの「カラオケ少年院」で、罪状と歌詞がピッタリという内容で観客を沸かせました。最後に踊りまで披露してくれました。

終演後は恒例の焼き鳥屋「庄助」で懇親会を行いましたが、どういうはずみか全員小平まで戻って、カラオケ会で締めとなりました。
★参加者:荒木、栗原、佐藤(俊)、野村、伊藤(徹)、 以上5名

次回は来年2月頃を予定しています。是非ご参加下さい。

  (文=伊藤(徹)、  写真=荒木)

第14回寄席研究会報告

第14回寄席研究会は、2016年6月22日(水)恒例の新宿末廣亭で6月下席昼の部観賞会を開催しました。
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12時の開演早々に1階椅子席(約110席)は満席、1時には2階席を開放し最終的には300人以上でほぼ満員となったようです。特に1階桟敷席は、寄席の雰囲気を楽しもうという若い人で一杯でした。
今回の会員の参加は7名。開演と同時に入場した4名は1階、その後入場した3名は2階での観賞となりました。

前半のお目当ては早稲田出身で今売り出し中の桃月庵白酒でしたが、順番が替わってしまったため遅れて参加の3名の方は、残念ながら観る事が出来ませんでした。演目は主人と女将さんからそれぞれ買収される「権助魚」で、熱演だったと思います。プログラムにはなかった代演の漫才ホームランは寄席研のファンも多く、今回も好評でした。
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ベテランの鈴々舎馬風、柳家小袁治は丁度当日が参院選の公示日であったためか、二人とも立川談志の選挙の裏話に終始し本題に入らずじまいでした。
後半の三遊亭円丈は和洋取り混ぜた桃太郎からシンデレラまでの創作落語で会場は爆笑の渦でした。昼席トリは現落語協会会長の柳亭市馬で、演目は俄か仕立ての間抜けな幽霊が出て来る「不動坊」、30分近くの熱演で、最後に落語を聞いたなという感じでした。
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終演後はこれも恒例の末廣亭隣の焼き鳥屋・庄助で懇親会を行いました。
今回初参加の末次さんの感想を聞きながら、最後は早稲田スピリット?の話で盛り上がり楽しく散会しました。  

★参加者: 荒木、井垣、伊藤(順)、栗原、末次、山本、伊藤(徹)、以上7名。

次回は9月か10月を予定しています。是非ご参加下さい。

  (文=伊藤徹、写真=荒木)

第13回寄席研究会報告

第13回寄席研究会は2016年2月25日(木)、恒例の新宿末廣で2月下席昼の部鑑賞会を開催しました。

新宿末廣亭前で

新宿末廣亭前で

今回の寄席研は、事前に他の同好会の席で発表していた日程を、幹事の都合で1日ずらして開催しました。ニモクサロンニュース等で変更後の日程を連絡しておりましたが、残念ながら徹底出来ず、前日参加2名・当日参加6名、計8名の変則開催となりました。

当日のプログラムは、前半はベテラン噺家、後半は30代から40代の若手真打ちという組み合わせになっていました。
幹事としては、今回は全く未知の三遊亭歌奴のトリよりも、柳亭市馬(落語協会会長)、三遊亭扇遊という出演予定者をみて決定しました。残念ながら両人は揃って当日キャンセル(10日連続興行ではよくある事ですが)でガッカリしたのですが、会員からは代演の柳家小さん(父は人間国宝だった先代小さん)の「長屋の花見」が良かったと聞き、ホットしました。

昼の部トリは先述の若手真打ち歌奴(38歳)で、「山のアナ・アナ…」で有名だった現円歌の弟子です。今回初めて聴いた「大岡政談」は若手らしく熱の入った好演だったと思います。 寄席研_201602_図 寄席は12時の開演早々に1階椅子席は満席、後半には2階席もほぼ満席という盛況で、出演者が若かったせいか、観客も相当若い人が増えていました。

終演後は当日参加の6名で打ち上げ会を、末廣亭隣の焼鳥屋「庄助」で行いました
なお、前日参加のお二人も、同じお店で長時間に渡って打ち上げ会をされたとの事でした。

★参加者(敬称略):荒木、井垣、伊藤(順)、栗原、佐藤(俊)、野村、山本、伊藤(徹)、以上8名。

また、偶然にも店で、先ほどトリを演じられた歌奴さんの一行とお会いし、写真を撮らせて頂きました。

トリを演じた歌奴さんの一一行もお店に

トリを演じた歌奴さんの一行もお店に

次回は5月か6月を予定しております。奮ってご参加下さい。

(文・伊藤(徹)、写真・荒木)