「メディア社に勤めて」
二又祐一(1972商)
1960年に米国の医師が設立したメディア社の、独英仏に次ぐ4番目の日本支社(1968年設立。のちにMBOにより全株式取得)に勤務した経験をもとに、おもに①新聞づくり、②書籍づくり、③著作権―について、お話をしました。児童との双方向のやりとりを目指し、クイズを出して回答してもらうようにも配慮しました。
▷新聞づくり
6学年の児童は、既にパソコンを使って自分自身で新聞づくりを経験済みでしたので、①見出しを立てる、②リード(前文)を書く、③5W1Hの要素を入れる、④レイアウトを工夫する―の4点について簡単に説明しました。
学校などで新聞を教材として活用する活動NIE(Newspaper in Education)が、新聞界と教育界の協力で行われています。これには「新聞について学ぶ」ことはもちろん、「新聞づくりを通して学ぶ」ことも含まれております。NIEに力を入れている地方紙で、子供たちの新聞づくりに役立つ情報を掲載しているウェブサイトがいくつかありましたので、参照するよう、アドバイスしました。
▷書籍づくり
新聞の編集業務に携わって8年が経過したころ、これまでに企画した連載記事が読み捨てられるのは「情報資源を無駄にしているのではないか。書籍として残すべきである」と思い、当時の支社長に出版部の必要性を訴え、創設を認めてもらいました。書籍づくりのノウハウがなく、今思い起こすと無謀な提案でしたが、印刷所や外部の編集プロダクションの協力を得て、書籍づくりを始めました。8年間で約100点の書籍、proceedingsの企画・編集・制作に携わった経験から、書籍づくりのノウハウを説明しました。
▷著作権について
学級担任の先生方からリクエストがあったテーマです。6学年の児童が取り組んでいる新聞づくりで、ウェブ上の文章や画像を自身の新聞に掲載している例があるようだ、とのことから依頼があったものです。現役時代に受講した著作権法のレクチャーや社内研修会での内容を思い起こしながら、①著作権法、②身の回りの著作物、③引用と転載―について例を示しながら説明しました。
著作権法に違反すること(著作権侵害)だけでなく、著作物が自由に使える場合があることも重要だと考え、例示しました。
熱心に耳を傾ける児童の態度、鋭い質問に刺激を受けた45分間でした。