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秩父34観音巡礼記
[その3] |
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滝沢公夫(30法) |
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[秩父三十四霊場の一覧]
番 |
山号 |
寺号 |
宗派 |
所在地 |
26 |
万松山
ばんしょうざん |
円融寺
えんゆうじ |
臨済宗建長寺派 |
埼玉県秩父市 |
27 |
龍河山
りゅうがさん |
大淵寺
だいえんじ |
曹洞宗 |
埼玉県秩父市 |
28 |
石龍山
せきりゅうさん |
橋立堂
はしたてどう |
曹洞宗 |
埼玉県秩父市 |
29 |
笹戸山 ささとさん |
長泉院
ちょうせんいん |
曹洞宗 |
埼玉県秩父市 |
30 |
瑞龍山
ずいりゅうさん |
法雲寺
ほううんじ |
臨済宗建長寺派 |
埼玉県秩父市 |
31 |
鷲窟山
しゅうくつさん |
観音院
かんのんいん |
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埼玉県小鹿野町 |
32 |
般若山
はんにゃさん |
法性寺
ほうしょうじ |
曹洞宗 |
埼玉県小鹿野町 |
33 |
延命山
えんめいさん |
菊水寺
きくすいじ |
曹洞宗 |
埼玉県秩父市 |
34 |
日沢山
にったくさん |
水潜寺
すいせんじ |
曹洞宗 |
埼玉県皆野町 |
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[第26番札所 円融寺(岩井堂)]
深い山中の札所 [第二十六番] 円融寺(岩井堂)
(山号) 万松山 (宗派) 臨済宗建長寺派 (本尊) 聖観音
(所在地) 秩父市下影森348
(巡礼歌) 尋ね入りむすぶ清水の岩井堂 心の垢をすすがぬはなし
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★この寺(別当・円融寺)は、第二十五番から徒歩一時間のところにあります。秩父鉄道影森駅からは、踏み切りを渡ってすぐのところです。観音堂(岩井堂)は、かなり離れた山の中腹にありますが、寺宝の保管や納経は円融寺で行っています。
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観音堂(岩井堂) |
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★円融寺の本堂は、間口八間ほどの巨大なもので、堂内には恵心僧都の作といわれる本尊の聖観音のほか、鎌倉時代のものといわれる勝軍地蔵(市指定重文)が安置されています。また、各種の絵馬も掲げられています。ここで納経を受けます。
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本堂 |
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★観音堂(岩井堂)へは山沿いの小道を行きます。昭和電工の中を通り、琴平神社の前を進みますと、百段余りの石段となり、深い山中に分け入っていく雰囲気です。息が切れそうになると、更に上に上り坂が続き、これが札所巡りの厳しさだという実感が湧いてきます。
★登りつめたところの山の中腹にある懸崖に、舞台造りの観音堂が現れます。ここの舞台から見た風景は大変感動的でした。武甲山も眼の前に聳えています。苦労して登ってきた甲斐が強く感じられました。観音堂は江戸中期の建築といわれますが、装飾はなく、素朴さが大自然に融合していました。
★寺伝では、弘法大師が修法されて霊験があり、更に恵心僧都が本尊・聖観音を安置して堂宇を建立。その後、秩父太郎重弘が再興したものといいます。兎に角印象深い寺でした。
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[第27番札所 大淵寺(月影堂)]
展望を楽しむ寺 [第二十七番] 大淵寺(月影堂)]
(山号) 竜河山 (宗派) 曹洞宗 (本尊) 聖観音
(所在地) 秩父市上影森411
(巡礼歌) 夏山やしげきが下の露までも 心へだてぬ月の影もり
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★大淵寺は、第二十六番・円融寺からは徒歩十分ほどのところにありますが、岩井堂からは、山の尾根伝いに徒歩一時間ほどです。尾根の道は比較的平坦で、展望を楽しみながら着くことができます。
★途中に、護国観音という高さ十五メートルの巨大な像があります。昭和十年に鉄筋コンクリートで造られたものです。高崎・大船とともに関東三大観音といわれます。優しい顔立ちで秩父盆地を見下ろしています。ここから急坂を降りますと、緩やかな参道の先に小さな門があり、本堂に達します。本堂は大正八年に焼失し、同十一年に再建されたものです。
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観音堂(月影堂) |
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★寺歴によりますと、宝明という行脚僧がこの地で病に臥せっていましたが、弘法大師が立ち寄って、自ら刻んだ聖観音を与えたところ、宝明の病が平癒したため、観音像を本尊として堂宇を建立したのがこの寺の草創といいます。その頃本堂は山上にあり、風景の素晴らしさから、月影堂の名がついたそうです。
★本堂は、新しく小規模で、特に見るべきものもありませんが、よく清掃されて清々しい雰囲気の寺でした。
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[第28番札所 橋立堂]
本尊が珍しい馬頭観音 [第二十八番] 橋立堂
(山号) 石竜山 (宗派) 曹洞宗 (本尊) 馬頭観音
(所在地) 秩父市上影森675
(巡礼歌) 霧の海たち重なる橋は雲の海 たぐいあらじとわたる橋立
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★橋立堂は、第二十七番から徒歩三十分ばかりのところにあります。途中に用水路があり、薄暗い道を登って行きますと水音が心地良いです。岸壁に覆われたところに小さな本堂があります。江戸中期の建築といわれ、本尊は、西国二十九番・松尾寺とともに、日本百観音の中でただ二つの馬頭観音です。座高十七センチの鎌倉時代の作ですが、縁起では弘法大師が刻んだものとされています。
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本堂 |
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★ここは、橋立鍾乳洞で有名であり、巡礼者よりも観光客のほうが遥かに多いです。本堂の左手のところに入り口があり、出口は本堂の裏手にあります。狭い洞内を進みますと次第に冷気が迫り、石筍や鍾乳石がさまざまな形で林立して、奇怪な感覚がしてきます。百メートル余りの洞窟からで出て来ますと、全く別世界に行ってきたような感覚となります。太古にここで生活していた遺品が発見されたそうです。なんとも印象深い寺でした。
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[第29番札所 長泉院(石札堂)]
荒川村とっつきの寺 [第二十九番] 長泉院(石札堂)]
(山号) 笹戸山 (宗派) 曹洞宗 (本尊) 聖観音
(所在地) 秩父郡荒川村上田野557
(巡礼歌) 分けのぼり結ぶ笹の戸おし開き 仏を拝む身こそたのもし
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★長泉寺は、第二十八番から徒歩三十分ほどのところにあります。橋を渡り、ガードをくぐって行きますと、荒川村に入り、左折して右手を見ますと瓦葺の本堂が見えます。曲がり角には延命地蔵尊があります。
★本堂は竹林に囲まれ、間口七間、奥行き五間の、秩父としては大規模なものです。正面に「観世音」という扁額が掲げられています。寛永三年(1750)に本堂の再建願いが出ていますが、焼失前は山の頂上にあり、現在地に移転したものです。しかし、その後文化元年(1805)に再び焼失、文政年間(1818-29)に現在の堂が建築されたといいます。堂内の各種納札が誠に美しい絵模様をなしています。
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本堂 |
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★縁起によりますと、元正天皇(715-23)の頃、山麓の淵から灯火が漏れるので村人が怪しんでいたところ、僧が来て聖観音像を見出し、堂宇を建立して安置したのがこの寺の草創といわれます。本尊は五十五センチの立像で、藤原時代の作といいます。
★また、文暦元年(1234)に、性空上人が秩父巡礼の時納めたという石札(長さ三十センチ、幅八センチ)があり、この寺の別名となっています。このあたりまで来ますと、かなり田舎めいていて、のんびりとそぞろ歩きを楽しむのも、鉱泉を探して休憩するのも良いと思います。
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[第30番札所 法雲寺]
秩父秘境の寺 [第三十番] 法雲寺
(山号)瑞竜山 (宗派) 臨済宗建長寺派 (本尊) 如意輪観音
(所在地) 秩父郡荒川村白久432
(巡礼歌) 一心に南無観世音と唱うれば 慈悲深か谷の誓たのもし
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★法雲寺は、第二十九番から徒歩ならば二時間ほどかかりますが、秩父鉄道の電車を利用すれば、武州中川駅で乗車し、白久駅で下車して歩けば二十分ほどで到着します。駅から渓流沿いの急坂を登っていきますと、鉱泉との分かれ道があり、右手に行きますとこの寺の参道になります。
★石段を登った一番高いところに観音堂があります。五間四方の江戸中期の建物で、回廊がついています。本尊は、元応元年(1319)に、建長寺の道隠禅師が唐から持ってきたものといいますが、唐の玄宗皇帝が、楊貴妃の菩提を弔うために自分で刻んだものともいいます。
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観音堂 |
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★納経を受ける庫裏には、道隠禅師が唐から本尊とともに持ち帰ったという「楊貴妃の鏡」や、古い納札等若干の寺宝が展示されています。この寺は、秩父の秘境の地にあり、ゆっくりと鉱泉で一泊したいものです。
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[第31番札所 観音院]
深い山中の寺 [第三十一番] 観音院
(山号) 鷲窟山 (宗派) 曹洞宗 (本尊) 聖観音
(所在地) 秩父郡小鹿野町飯田観音2211
(巡礼歌) 深山路をかきわけ訪ね行きみれば 鷲のいはやにひびく滝の瀬
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★観音院からは小鹿野町に入ります。第三十番から徒歩ならば五時間ほどかかります。従って、自家用車を利用するか、白久駅から三峰口駅まで電車で行き、バスに乗車、栗尾下車徒歩四十分のほうが便利です。バス停から谷川に沿った林道を行きますと、左手に大日堂、右手に水子地蔵寺があり、あたりには広い駐車場もあります。
★林道の行き止まりの右手に仁王門があり、明治初期のものという石材の仁王が安置されています。像高三メートルという巨大なものです。ここから九十九折の急な石段が続きます。苔も生しており、登るのに注意を要します。程なく巨大な岩石が行く手を遮り、滝の音が轟いています。滝壺には不動明王が祀られています。
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本堂 |
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★滝の右手に本堂があります。三間四方の、近年再建の小さなお堂です。後ろに山が迫っており、山中の寺という雰囲気は十分です。本尊は、行基菩薩の作と伝えられますが、将門の乱の際所在が不明になっていたものを、後に畠山重忠が発見し、現在地に堂宇を建立して安置したものといいます。明治維新までは、この寺は修験道に属したそうです。
★寺域のある山地一帯の岸壁には、無数の石仏が散在しており、とても全部を確かめることはできませんが、素晴らしい独特の雰囲気を味わうことができます。付近の鉱泉で一泊してみるのも良いかもしれません。
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[第32番札所 法性寺]
峠越えの古刹 [第三十二番] 法性寺
(山号) 般若山 (宗派) 曹洞宗 (本尊) 聖観音
(所在地) 秩父郡小鹿野町般若2661
(巡礼歌) 願わくば般若の船に乗りを得て いかなる罪も浮ぶとぞ聞く
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★法性寺は、第三十一番から徒歩ならば三時間ほどかかりますが、バスを利用すれば、栗尾で乗車、途中町営バスに乗り継いで行けば、寺のすぐそばに出ます。ただ、バスの本数は日に数本であり、できれば自家用車を利用したいものです。徒歩の場合は、国道や狭い山道・峠道を行くことになります。峠を越えると地蔵尊があり、この先を下ると右手に二階建ての仁王門があります。ここを入ると法性寺の本堂があり、釈迦如来が安置されています。
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仁王門 |
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本堂 |
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★更に少し登りますと、舞台造りの観音堂(般若堂)があります。これは享保四年(1719)の建立といわれます。本尊は、百三十八センチの立像で、行基菩薩の作といわれますが、実際は室町時代のものらしいです。また、前立ちには、船を漕いでいる観音像があります。観音が船に乗って到来したという縁起に基づきますが、実際、観音堂のある山の上の巨石が船の形をしていることから、この縁起が生まれたようです。
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観音堂 |
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★奥の院への急勾配の岸壁を登りますと岩船に出て、ここに銅像の大日如来が安置されています。ここからの眺望は素晴らしく、秩父の山々が美しいです。縁起には、元禄九年(1696)老女が転落したが怪我がなかった等の話があるようですが、実際には大変危険な場所です。なお、寺宝には、大般若経の一部があります。
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[第33番札所 菊水寺]
文化財のある山間の寺 [第三十三番] 菊水寺
(山号) 延命山 (宗派) 曹洞宗 (本尊) 聖観音
(所在地) 秩父郡吉田町桜井1104
(巡礼歌) 春夏や冬もさかりの菊水寺 秋をながめに送る年月
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★菊水寺は、第三十二番から徒歩一時間半ほどのところにあります。バスを利用する方法もありますが、行程の一部のみであり、かなり歩くことになります。いずれにしても、かなり分かりにくい道順です。桜井の集落のところで、川に沿った道から橋を渡りますと、参道に出て、正面に入母屋造りの本堂があります。文政三年(1820)建立といわれ、正面は玄関風になっていて、「正大悲殿」の扁額が掛かっています。
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本堂 |
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★本尊は一木造りの立像で、藤原時代の作といわれ、県指定重文になっています。他に、本尊を模した観音の立像や白衣観音の坐像、更には聖徳太子を安置した厨子があって、後者は室町時代のものといいます。また、本堂内には、「こがえし」と「親孝行いろは歌留多」の額が掲げられていますが、前者はいわゆる間引きを諌めたもの、後者は秩父聖人といわれた人の教えを書いたものといいます。
★寺伝によりますと、昔山沿いの道に盗賊が出没しましたが、ある旅僧が恐れずに祈ったところ、盗賊は身動きできなくなりました。そこで、旅僧は、菊水という霊泉で心身を洗うようにと、聖観音を刻んで盗賊に与えました。盗賊は心身を洗い落として草庵を結び、観音を安置して仏道に励み、その後他の僧が現在地に移転したのが草創といいます。
★寛保二年(1742)の頃、「円通伝」の著者・円宗がここに逗留し、俳諧の指導をしたといわれます。本堂の前には、芭蕉の句碑がありますが、五十回忌にあたる寛保年間に立てられたもので、埼玉県内の句碑では最古といいます。このような不便な山間の地に、多くの文化遺産を持つ寺があることは、本当に驚きでした。
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[第34番札所 水潜寺]
秩父結願の寺 [第三十四番] 水潜寺
(山号) 日沢山 (宗派) 曹洞宗 (本尊) 千手観音
(所在地) 秩父郡皆野町日野沢3522
(巡礼歌) 万世の願ひをここに納めをく 苔の下より出ずる水かな
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★いよいよ結願の寺です。水潜寺は、三十三番から、札立峠越えの徒歩で二時間ばかりの厳しい立地にあります。バスを利用する場合は、乗り継ぎになりますが、日に数本寺のそばまで通じています。昔は峠越えが普通でしたが、現在は殆ど通る人はいないようです。
★小川沿いの道から、苔生した石段を少し登りますと、本堂に出ます。文化七年(1810)の古文書では、御堂再建の際、信徒からの供米を売って費用にあてたとのことです。その後改築されていますが、堂内には極彩色の彫刻や花鳥の絵があり、満願の納札もぎっしりと貼られています。
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本堂 |
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★本尊は室町時代の作といわれ、一木造りの胎内には、銅製の阿弥陀仏が納められているそうです。本堂近くには、水潜りの岩屋があり、清水の中に石仏が安置されています。昔から、結願するとここで身を清めて俗界に戻るといわれています。
★徒歩で通る札立峠は、天長年間(824-32)の旱魃の際、一人の僧が観音を拝むよう教えたところ雨が降り、これが水潜寺の草創ともなったといいます。結願寺としては余り見所はありませんが、兎に角、比較的狭い秩父地域ながら、苦労して巡礼を終えることができた喜びは、なんとも表現し難いものでした。
★後日、長野の善光寺に参詣し、日本百観音霊場の巡礼を満願成就しました。長い年月の間、本当に楽しいことや苦しいこと、人々との温かいふれあい等筆舌に尽くし難い貴重な経験をしました。この経験を糧として、今後も残された月日を前向きに生きて行きたいと思います。(完)
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♪BGM:Chopin[Nocturne2]arranged by Pian♪
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秩父34観音
その1 |
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秩父34観音
その2 |
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