連  載
海外ゴルフ場面白話
ー芝生の上から世界経済を覗けばー


小川浩史(35法)



第3集


連載第7回


[オーストラリア]

★オーストラリアは、日本との時差も少なく、航空運賃が高いのを別にすると、比較的訪問し易い国である。

★オーストラリア入国に際しては、苦い経験がある。一度、米国西海岸〜ハワイ〜(ハワイから夜行便で)ニュージーランド経由でシドニー空港に入港したときのことだ。急ぎの旅だったので、ハワイからゴルフウエアーの軽装で出かけたのと、入国コース経路により麻薬の運び屋と間違えられ、通関時に名刺の1枚1枚まで徹底的に調べられたことがある。所持品の抗生物質を何と説明しようかと思っていたのだが、銀行員であることを強く主張して、やっと解放された。出迎えの現在の支店長も、私がなかなか現れないので心配したそうである。

★シドニー近郊のゴールド・コーストも、ゴルフ場の多いところである。有名なサンクチュアリー・コーブという超高級リゾート地があり、かつて日本の有名人たちもかなり所有していたが、施設に車で入るのも厳重チェックが行わるゾーンだ。ゴールド・コーストの海岸は、私有地ではないが、サンクチュアリー・コーブには入り江があり、ヨットハーバーも内陸のクリークにあった。


[ゴールド・コースト・サンクチュアリー・プロジェクト]

★ゴルフ場も36ホールでフラットなコースである。いまは誰の所有になっていることだろう。もう1か所、マンション業者の大京グループも18ホールのゴルフ場、パインズ・カントリークラブを所有していたが、クリークの多いコースだった。

[ゴールド・コースト 大京パインズG.C.]

★オーストラリアのインド洋に面したパースは、美しい街だが、取引先がリゾート別荘地とパインズリゾートC.C.を作ったのを見学したことがあるが、小蠅が多いのには閉口した。移動のためのバスに乗るときも蠅をぱたぱた払ってから乗り込む始末であり、日本人向きではないと危惧したものである。(ちなみに09年2月23日付け日経に、ここで欧州ゴルフ大会が開催され、藤田寛之選手が2位になったと出ていた。)

建設中(当時)のバインズG.C. パース市内 フリーマントルの海岸

★近くのフリーマントル港は、インド洋に面した美しい白砂の海岸が続くところで、日本の遠洋漁業の中継地でもあり、日本人駐在員も多い。港の近くに東急がリゾート開発を行っていた。メルボルンから南極方向に向かって半島が延びているが、かつてケープ・シャンク・ゴルフクラブが36ホールのうち18ホールを売りたいという商談があり、現地で試打したことがある。

★ゴルフ場の売却価格が4〜5億円で、当時、小金井カントリーの会員権が同程度の値段だったので、私が「日本で自分の居住地に近い有名ゴルフ場の会員権が、1人4〜5億円する」と言ったら「おい聞いたか。日本では会員権1口が4〜5億円だってさ」と大変驚いた様子だったのを、いまでも鮮明に覚えている。半島の先には、小型の種類のペンギンが陸に上がって子育てする名所があり、訪れたことがある。

小型のペンギン(メルボルン郊外フィリップ・アイランドで)

★メルボルンの山側に大和証券のナルダラーク保養所があり、はるか彼方の山まで所有地ということで、とにかく広大な土地だった。そこで栽培したブドウのワインは、大変おいしかった。証券会社がワインの販売はできないので、取引先の贈答用に使っていたが、昨今では木も大きくななって、オーストラリアで入賞するほどのグレードに達したので、日本で別会社を作り、販売を始めているとのことである。

大和証券の保養施設(ナルダラークで) メルボルン郊外ケープ゚・シャンクG.Cでアシスタント・プロが試打

★次回は[アメリカ西海岸]編です。

♪BGM:Chopin [Etude] arranged by Pian♪

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