★今年(2012年)最後の山行にしようと12月10日に東丹沢の高取山、仏果山へ出かけた。小田急の本厚木から半原行きのバスで約50分、中津川にかかる愛川大橋で下りて古い石小屋ダムの傍を通り宮が瀬ダムのダムサイトへ向かう。この辺りはホタルの里で3月下旬にはカタクリの花でも知られている。
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古い石小屋ダム |
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★宮が瀬ダムは4.6平方km、貯水量約2億トンで箱根の芦ノ湖とほぼ同じ水量を蓄えているとは驚きだ。聳え立つ堰堤の下から40人乗りのエレベーターで一気に121mを上ると堰堤の上に着くが、満々と水を湛える湖面から吹き渡ってくる強風の冷たいこと、吹き飛ばされぬよう帽子を押さえながら375mの堰堤を渡り切ったところが高取山の登山口だった。
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宮が瀬ダム堰堤 |
宮が瀬ダム俯瞰 |
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宮が瀬湖 |
高取山~仏果山登山口 |
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★各自ストレッチや靴ひもの締め直しなど準備を整えて出発する。予めリーダーから始めの狭い急階段の一気登りのキツサ加減は聞いていたが、この30分はやはり相当のもので、登り切った展望所から見下ろす宮が瀬ダムの景色に疲れを癒された。
★ここから更に高度を上げながら高取山の北斜面を行くが、やがて道の北側に綿のように散らばる白いものを見た。これは間違いなく植物のシモバシラ(シソ科シモバシラ属)だ。霜柱ではなく、しそ科の多年草で上部の葉や穂が枯れ落ちた後、茎が地中の水分を吸い上げて氷のオブジェを造形する、この現象は降雪の前に見られるのでユキヨセソウとも云う。
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シモバシラ発見 |
シモバシラの群落 |
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2巻きが合体 |
大型縦巻き |
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大型横巻き |
巻き重ね |
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★高尾山から城山に向かう北斜面でも見ることが出来るが、時期は12月中旬から1月初旬、根も枯れてしまって水を吸い上げられなくなったり、雪が積もったりすると見ることはできない。今年は月初めに来た寒気の影響で例年より早そう、それにしてもこんな大群落をこの後も何か所か見たのは初めてだった。
★高取山から仏果山の山域は鹿が多く、何か所かで鹿柵をくぐるが、更に悪いほうで有名なのは山ヒルで「春~秋、山ヒルに注意」の標識を幾つも見た。
★高取山に至る登山道は痩せ尾根の部分がかなり多く、特に強風が吹きぬける時は加齢とともにバランスの悪化を実感している私にとって両サイド崖は苦手中の苦手だ。高取山山頂705mは僅かの休憩だけで仏果山747mへ急ぐ、この両山を繋ぐ稜線は比較的整備されていて歩き易い。
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高取山~仏果山稜線にて |
高取山より厚木横浜方面 |
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★仏果山頂上からの横浜・東京方面の眺めでランドマークタワーやスカイツリーまで確認できたのだから、やはり山はお天気が一番の感を強くした。14時半に愛川の野外センターバス停に下り、これで私の今年の山は終わった。
★12月の山は決して高い山ではなかったが、山高きが故に貴からず、低きが故に軽んずべからずで、キツイ登りも厳しい道も変わりなくあるし、また山の魅力も思いもかけない品揃えで私を迎えてくれた。年が明ければ今度は雪山が私を招いて呉れることだろう。
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