いなほグルメ随想
鬼平も愛した銘店「かど家」の軍鶏鍋の味

山本浩(29政経)

★もう一度あの味を是非にと2年越しで馬場正彦さんにお願いしていたのがやっと実現した。 今の六代目女将馬場英美さんは馬場さんの兄嫁に当たる方である。

★かど家は江戸時代末期文久2年(1862年)創業の鳥鍋料理の老舗で、食通だった池波正太郎が通い、鬼平犯科帳の「五鉄」に擬せられたお店だ。

★3月23日午後5時半JR両国東口に落ち合った4人は南へ下って京葉道路から清澄通りを横切り、更に南の堅川の手前の角へと向かう、10分ばかりの歩きだがこの道行が又何とも楽しい。しっとりと落ち着いた門構えの中に入ると女将さんはじめ女中さん方のお出迎え、二階の和風椅子席へ案内される。

★先ず付きだしにとりがらのスープとささみの和え物が出るがこのスープの味が何とも応えられない。そのあと何品かいちいち料理の説明をして出してくださるが、名前の記憶をできないまま長年鍛え抜かれた銘店の味に感じ入る。お酒はビールで舌を洗って福島二本松の銘酒「奥の松」を常温でとなるが、さらりとした辛口で料理との相性が真によい。

★然しなんといっても本命は150年前の初代から続く軍鶏の八丁味噌仕立ての鍋、今は大山地鶏との混合だが如何にも濃厚な味を思わせる色合いにもかかわらず、その美味さに何度も箸が伸びてしまう。最後は取り皿と鍋に残った具を白いご飯にかけて食べるが、浅漬けのお新香が添えられているのが嬉しい。

六代目女将馬場英美さん 軍鶏鍋グルメ参加の面々

★コース終了までほぼ2時間、至福の時を過ごし、女将さん、女中さん方に送られて両国界隈を後にした。
                                            (2013.3.24.記)

[出席者] 伊藤順蔵、馬場正彦、大島二典、山本浩

♪BGM:Bach [Menuet114] arranged by Pian♪


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