小平稲門会地域貢献事業


第2回ゲストティーチャー
小平市立第三小学校・学園東小学校6年生授業報告

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授業概要のご報告

★小平稲門会は、地域貢献活動の柱として、市内小学校の総合学習を支援するため、稲門会員からゲストティーチャ―を派遣しています。今年(2011年)は、昨年に引き続き小平三小で11月24日に、また今年度より新たに学園東小で12月15日に授業を行ないました。

★この授業のネライは「様々な職業の人と出会うことにより、子供たちが将来への夢を持ち、生き方を考え、職業観を養う」ことにあります。今回、先生となった稲門会の仲間は大島二典さん、志村智雄さん、中村泰三さん、小山雄一さんの4名志村さんは小平三小のみ)。6年生一学年を各30人程度のクラスに分け、午後の2時限90分の授業を行いました。

★先生となった4人は、昨年の経験者の大島さん以外は小学校で話すのが初体験。緊張気味ながらも、それぞれ「自分の仕事から得た教訓や経験、将来を託す児童への期待」などを熱っぽく語り、あっと言う間の90分でした。授業の終わりには各クラスとも代表から感謝の言葉が送られ、全員で記念写真に収まりました。

★今回、先生となった4人の授業テーマは、大島「海外での仕事とくらし」、志村「演劇の歴史」、中村「将来何になりたいですか・・。日本のために働きませんか」、小山「印刷と色のおはなし」でした。ユニークだったのは前進座の俳優兼演出家の志村さんの授業。事前の生徒アンケートでは志村さんの授業へ参加希望が一番多かったようです。

★授業の数日後、授業を受けた児童全員からのお礼と感想文も届きました。総合学習の支援授業は、学校からも喜ばれ意義ある地域活動となりつつあります。これからはゲストティチャーを引き受けて頂ける方々をドンドン増やしていきたいものです。年が改まった現在、小平二小からも要請を受けています。

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ゲストティーチャーからの授業報告

「海外での仕事と暮らし」
〜その国の文化と習慣に接すること〜
大島二典(44理工)

★第三小学校で11月24日(木)、学園東小学校で12月15日(木)午後に、小学6年生を対象に、上記テーマで90分の授業を行いました。

★昨年に続き3回目の体験でしたので、今回はそれを生かし、先生に、生徒に対する事前の仕掛けを丁寧にしてもらいました。この結果、生徒たちは、最後まで集中力が切れずに、元気良く、質問も活発で、とても楽しく充実した授業を行う事が出来ました。

★テーマは、海外の仕事では多くの日本人が、「日本人と外国人の考え方や行動様式の違い」に悩まされているので、これを中心に取上げました。又、今回は先生からの提案もあり、プレの3つの柱を以下の位置付けにして全体のメリハリを利かせる事にしました。

   1.「オーストラリアについて」;プレ導入部;楽しく

   2.「企業が海外に進出する理由&海外の仕事で苦労した点」;メインテーマ;課題設定

   3.「タイヤについて];時間調整テーマ;軽く

★「オーストラリアについて」では、写真などを多用して、海外の暮らしでは、その国の人達・自然・動物・文化などに接する事が出来るなど、仕事以外にも楽しい事が一杯あるとの論調にしました。  

★メインテーマでは、事前課題として「企業が海外に進出する理由」を取り上げました。前回の反省を踏まえ、資料の事前配布をしないで、事前に先生にポイントのみを説明してもらい生徒達に考えさせる事としました。    

三小で 学園東小で
                   
★ワークショップでのグループ討議と発表は、「自ら考える」・「参画意識を高める」ために非常に重要な位置付けと考えていましたが、生徒たちは、家族に聞いたり、インターネットで調べたりして頑張ったようです。                         
★グループ討議&発表は元気良くテキパキと、又、討議中には女子生徒が男子生徒をやりこめる笑えるひとコマも有り楽しく進みました。                     

★まとめの発表では、プレ内容説明の前であるにもかかわらず、生徒たちの答えが、的を射ているのには驚きました。企業、特に担当者のレベルでは、貿易摩擦解消は余り深く考えていないのですが、何人かの生徒からこの言葉が出てきたのには感心させられました。「外国人の考え方の違い」も含めて、この部分は、分かりにくいとの印象を持っていましたが、今回は生徒達の食いつきも良く理解度も高かったと思います。


★「タイヤについて」は元々1回目の授業時に学校側からリクエストされたものですが、体験・生き様・考え方とかとは違う、いわゆる知識・事実をまとめた物で、話しやすい部分ではありますが、今回のテーマからは少し離れたもので、これに力を入れ過ぎるとメインテーマがボケてしまうので軽い取扱いとしました。

★最後の質疑応答は自由な質問を活発にできるようにしたいという弊方の要望に良く応えてくれて、質問には全員が挙手し、講師の回答に対して更に追究質問が出てきたりして嬉しい悲鳴をあげるような状況でした。又、質問の内容も、「プレの内容をもう一段深く掘り下げるもの」から、「個人的な事に関わりチョット答えにくいもの」まで多岐にわたる厳しく楽しい質問が飛び交いました。

★今回、特に学園東小の先生には、「テーマ内容の理解」・「課題設定&生徒へのポイントの事前説明」・「家族への呼び掛け」などをきめ細かくやって頂き、一体感のある授業ができ、生徒たちの食いつきも良く、生徒たちにも何らかの形でプラスになったのではないかと思えました。

★事後、先生から「子供達も大変喜んでいました。授業の説明がとてもわかりやすかったので、子供達はいつも以上に授業に集中していました。」との嬉しいコメントを頂きましたが、小生もそれを実感できる授業ができた事をとてもうれしく思っています。いずれにしても良い体験をさせて頂きましたことを御礼申し上げます。



演劇の歴史
志村智雄(43法)

★小、中学校で美術や書道、音楽の授業があるのですが、演劇の授業がないのを私は一演劇人として、常々残念に思っていました。演劇は音楽や美術の要素も含まれ、いわゆる総合芸術と呼ばれていますし、また作品を個人の努力と集団活動で造り上げてゆかなければならないので、規律や相互の助け合いを学びます。

★今回、30人余の6年生に演劇の歴史と北原白秋の詩を通し、大きな声を出したり、動いたり、演技者の第一歩の経験を味わって貰おうと試みました。生徒の反応から私なりの反省は、演劇の歴史はスライドや絵や音を使って、コンパクトに伝える工夫が必要だと感じました。

三小で 三小で

★また、あとで知ったのですが、子供達には演劇体験より、どうしたら俳優になれるのか、俳優の生活はどんな風なのかに興味があったようでした。ですから、私の今までの歩んできた体験談の授業もあるなぁと、その上で、生徒が参加型の授業をするのが良いのではないか〜。

★子供たちは15分も経つと話だけですと飽きてしまうし、人前で声を出すのも苦手のようです。いずれにせよ学校側との事前事後の対話がもう少し必要ですし、こうした積み重ねが子供達を育てていくと思います。



将来何になりたいですか…
〜日本のために働きませんか〜
中村泰三(41理工)

★「将来何になりたいですか・・・日本のために働きませんか」をテーマに二つの小学校の6年生各30名ほどを対象に1時間30分講義をしました。

★内容は、自己紹介、なぜエレクトロニクス・エンジニアになったか、会社での仕事そして学んだこと等、孫と同世代にお話をするので、如何にやさしく判りやすく出来るか、また、講義は長くて15分程、出来るだけワークショップ(生徒たちに何かをやってもらう)の時間を作ることを心がけました。

★そのため、先ず電波の仕事をしていたので、周波数をラジオ局に合わせるチューニングを実際にラジオを使って行い、電波が空間を飛んでいることを体験してもらいました。

三小で 学園東小で

★また、将来の職業を考えるために、グループ毎に架空の人物像(名前、家族構成、両親の職業、趣味等)を考え、その人物が将来何になりたいか、それはどうしてか、日本の国力向上の何に貢献できるかを検討し、発表、それへのコメントということをしましたので生徒たちも飽きずに一生懸命やってくれました。

★授業についての感想文を読むと私の言いたいことを理解してくれていることが判り、更に、先生からも「先日の学習では、子供たちにたっぷりと<日本のために働くこと>の魅力を語って頂きありがとうございました。子供たちが自分の夢について改めて考え、味わい、見直した2時限となりました」というコメントを頂きうれしい限りです。




印刷と色の話
小山雄一(43法)

2011年11月24日に第三小学校、12月15日に学園東小学校の総合学習授業のゲストティチャーを務めました。テーマはどちらも「印刷と色のはなし」です。

★私が印刷インキメーカーに勤めていた関係から取り上げたものです。私の自己紹介、印刷の歴史、印刷のしくみ(写真や絵と印刷のちがい)、印刷インキの作り方等を順に話しました。技術屋出身でないため初歩的な事しか教えられませんでしたが、印刷の基礎的な事は理解して貰えたと思っています。教科書的な話だった割にはどちらの学校の生徒も2時限の90分を行儀よく
授業を受けてくれました。

三小で 学園東小で

★話の内容は、テーマの印刷の事が多くなりましたが、「働く」ということの意味、プロとしての心構え、メーカーの社会的役割などについてもっと話せばよかったかな、と思っています。

★初めての経験で戸惑いもありましたが、もともと子供と遊んだり、話したりするのが好きな方なので、またチャンスがあればやってみたいと思います。

★稲門会の地域貢献としてのゲストティーチャー活動は大いに意義があると感じました。大勢の会員の方に体験して貰いたいものです。反省点などを列記すると次の通りです。

@先生との事前打ち合わせを十分行い、学校が我々に何を期待しているかを鮮明にする。

A話す内容の時間配分に気を付ける。90分は意外に短い。

B児童の質問を引き出すための発問が大事。

C児童の知識レベルをだいたい押さえておく。(「聖書」を知らない児童がほとんど。逆に最新の「3D印刷」のこ   とを知っている児童もいる)

D長丁場の話を聴いてくれる児童の関心や立場をもっと承知しておく必要がある。

(写真:いずれも栗原政博さん撮影)


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