★2014年9月21日、会員13名は中央線日野駅に集合。山本さんと佐藤さんのオリエンテーションを受けた後、秋色深まる中、ゆったりと散策を開始しました。当初の雨天の予報が晴天に変わり、本当に幸運でした。今回は、新選組関係を中心に立ち寄る施設が多く、先ず駅に近い「井上源三郎資料館」に行きました。井上家は代々八王子千人同心を務め、源三郎は新選組六番隊長として活躍しました。
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井上源三郎資料館 |
五代目子孫井上雅雄館長と一緒に |
新撰組横田総司? |
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★この資料館は、多くの資料が発見された土蔵を改造して平成16年に開設されたものですが、子孫の方の懇切な説明と、多くの資料に感心しました。ただ、公開は第一と第三の日曜に限られ、今回の散策の日取りも、これに合わせて設定したのでした。
★次に行ったのが「八坂神社」です。ここは、明治2年から日野宿の鎮守となっており、剣士たちが奉納した「天然理心流奉納額」がありますが、公開は例大祭の時に限られ、見られなかったのが残念でした。
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八坂神社 |
八坂神社天然理心流奉納額写し |
八坂神社奉納試合 |
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★次にほど近い「宝泉寺」です。ここは臨済宗建長寺派の禅寺で、創立は1300年頃といわれますが、現在の本堂は平成13年に再建されたものです。広大な境内の奥に、井上源三郎の墓がありました。
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宝泉寺井上源三郎記念碑 |
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★そこから趣きのある「日野用水」に沿って進みますと「大昌寺」です。ここは知恩院末寺で、1602年の創建。素晴らしい寺でした。ここには、新選組最大の支持者である佐藤彦五郎と妻ノブ(土方歳三の実姉)の墓があり、しみじみとした気分になりました。
★ここからしばらく急坂を登って行きますと「新選組ふるさと資料館」です。ここは日野市立で、時折企画展が開催されますが、丁度何もない時期で残念でした。しかし、新選組関係の資料は豊富で、結構楽しみました。
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新撰組故郷資料館内 |
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★坂を降ってしばらく行きますと「日野宿本陣」です。門構えが素晴らしく、都内に唯一残された江戸時代の本陣建物です。日野宿の問屋と名主を務めていた佐藤彦五郎が、自宅兼本陣として1864年から使用していました。道場には、新選組の同志たちが顔を揃えていたようです。建物は、火災等もあり当初のものとかなり異なっているようですが、各部屋の構造・造作等の全容が大変勉強になりました。案内人の説明も親切でした。
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日野宿本陣 |
日野宿高札跡 |
本陣内解説 |
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本陣内部 |
本陣内鎧兜 |
本陣内兎の釘隠し |
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★ここからしばらく歩き、モノレールの甲州街道駅から万願寺駅まで行き、「土方歳三資料館」です。ここには土方家の末裔が住んでおり、第一・第三日曜の午後のみ公開されますが、時間オーバーで既に閉館しており、本当に残念でした。ここには、歳三の愛刀である和泉守兼定(市文化財)、直筆書簡、句集、鎖帷子、家業の石田散薬、木刀等、狭いながらも見どころが多いようです。門外から土方の像だけが見られました。
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土方歳三資料館 |
土方歳三資料館の前で |
資料館内の土方歳三像 |
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★次に、しばらく歩くと「石田寺(せきでんじ)」です。ここは真言宗の寺で、日野七福神の福禄寿があります。南北朝時代の創建といわれます。樹齢400年という天然記念物「カヤの木」があり、隣り合って十一面観音を祀った観音堂がありました。墓地の方に行きますと、歳三の実兄の曾孫が昭和43年に建立した「土方歳三義豊の碑」と「歳三墓所」がありました。ただ、土方家の菩提寺は高幡不動であり、位牌も同寺の不動堂にあります。なお、この付近には土方姓の家が多くみられました。
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石田寺 |
石田寺樹齢400年のカヤの樹 |
石田寺土方歳三の墓所 |
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★ここから万願寺駅に戻り、「高幡不動尊」に行く予定でしたが、既に時間的に無理のため断念し、本当に残念でした。ここは正式には、「高幡山明王院金剛寺」といい、真言宗智山派別格本山で、関東屈指の古寺です。
★そして、土方家は檀家頭格の家柄と言われます。奈良時代に行基菩薩によって創建されたそうで、平安時代には慈覚大師円仁が不動明王を安置しています。その後嵐によって堂宇が倒壊し、1342年に再建されたのが現在の「不動堂」です。仁王門とともに国指定重要文化財に指定されています。
★不動堂の裏手に「奥殿」があります。ここには、丈六不動三尊(重文)が安置されているほか、書簡、旗、木刀、覚書等、新選組関係の多数の資料が展示されており、大変貴重です。一番奥まったところに「大日堂」があります。堂内には、「鳴り龍」と平安時代造立の大日如来や「土方歳三の位牌」が納められています。
★寺の入口近くには、「殉節両雄の碑」がありますが、板橋では明治9年に建立されたのに、日野ではなかなか許可されず、明治21年になってやっと建立されました。文章は、元会津藩主の松平容保だそうです。
★なお、昭和55年に建立された「五重塔」は、鉄筋コンクリート造りながら堂々たるもので、適当な古色がついて風格があり、形も美しく、大変目立ちます。秋の紅葉と初夏の紫陽花の頃は、観光客で大変混雑するところです。いずれにしても、このような素晴らしい寺を省略したのは本当に残念でした。これで本日の散策は終わり、モノレールで立川南口に戻り解散しました。その後有志によって「土間土間 立川南店」で懇親会を実施し、大変盛り上がりました。
★今回の散策は、新選組関連の施設を網羅する大変欲張ったもので、時間の関係で一部省略せざるを得なかったのは残念でしたが、皆元気に歩き切りました。山本さんの各所での解説と佐藤俊雄さんの資料は相変わらず冴えており、好評でした。今後も、楽しい無理のない散策を企画したいと思います。(報告:滝沢公夫 写真:荒木彌榮子・国友康邦・山本 浩)
[参加者] 荒木彌榮子・伊藤 徹・小平道彦・梶川 允・国友康邦・佐藤俊雄・滝沢公夫・野村吉宏・馬場正彦・堀田耕也・堀田夫人・山本 浩・横田康平
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