いなほ随想

東日本の大震災を乗り越えて、日本の再興・希望の未来へ

土屋正忠(41法 武蔵野稲門会)

小平稲門会の皆様
 武蔵野稲門会所属で、昭和41年法学部卒業の土屋正忠です。この度縁あって小平稲門会の松谷富彦先輩に出会い、国会議員や武蔵野市長の経験を生かして小平稻門会のホームページに原稿を書けとの要請を受けました。機会を有り難く活用し、下記の東日本大震災に関する表題の一文を寄稿させていただきました。ご一読くだされば幸いです。尚、毎日ブログを更新しておりますのでそれも合わせてお読みくだされば幸いです。(11.8.7.記)

被災した人々の悲しみを秘めた崇高な自制心・感謝の言葉
             ―日本人の覚醒に―

★3月11日M9の超大地震とその後の大津波、100年に1度の途方もない厄災が人々に襲いかかりました。岩手・宮城・福島の三県を中心に太平洋沿岸部は壊滅的被害を受け2万人が犠牲になり、避難した人は20万人に上りました。4ヶ月半たった今も、5万人が避難所暮らしをしています。

大津波の被災地を土木建築の専門家と視察する土屋さん(左) 地震と津波で瓦礫状態になった墓地の前で
岩手県大槌町で11.5.30.撮影 岩手県大槌町で11.5.30.撮影

★この悲劇を見て、日本中が立ち上がりた。公の防災機関を先頭に、様々な支援の輪が拡がって、家庭で、地域で、企業で、そして外国からも多くの支援が寄せられました。この4ヶ月半の間に、国民の義援金は3000億円を超えています。

東北の被災した人々が示したモラルパワーが日本中を席巻した

★多くの人が感動し深いところで心を打たれたのは、被災した人々が深い悲しみの中に見せた崇高な自制心と相手を思いやる心使いでした。「救助に来てくれて有難う」必ずしも十分でないはずの救援物資に「私は足りているから他の人に上げてください」、物資の補給所に整然と並ぶ人々。

★一週間ぶりで商品が入荷したスーパーは、普段の3割引で販売しました。これらを目の当たりにした国民は奮い立ちました。企業は全国から総動員して、生活に必要なものを被災地に集中しました。医師も公務員も建設業者もボランティアも、遠距離をいとわず駆けつけました。世界中の人が驚嘆して感銘しました。

★救援に当たった自衛隊員は語りました。「救助に従事して人間にとって何が大切か被災地の人に教えられた」と。

★「オトモダチ作戦」に参加した米軍の司令官は語りました。「撤退の日、飛行機から下を見たら浜辺に人が動いている。救助を待つ人かと注視したら流木を集めて、私たちにアリガトウと書いていました。世界のあちこちに人道支援に行ったが、初めての経験だった」と。私も現地に入り、被災した人々に逆に励まされ、ガツンと活を入れられました。この大災害で被災者の皆さんが示したもの。それこそが日本人に日本の誇りを取り戻させ、覚醒させてくれたのです。

雨にも負けず風にも負けず新しい時代を拓こう

★本格復興に向けて、漁業・水産加工・農業・畜産・林業・観光・研究機関・健康休養、自然を生かして東北を日本人の心のフロンティアにしようではありませんか。トヨタは、宮城と岩手に新設工場を造ることを7月中旬に発表しました。政治家も復興に全力を挙げ、責任を果たさなくては恥ずかしい。私も行政経験を生かして、被災地の復興に全力を尽す所存です。


♪BGM:Chopin[Ballade1]arranged by Reinmusik♪


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