連 載
海外ゴルフ場面白話
ー芝生の上から世界経済を覗けばー
小川浩史（３５法）
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第７集
連載第１１回
［中東］
★当時（１９７０〜８０年代）、中東、バーレインには、オイル・ショックの影響もあり、邦銀がオイルマネーを求めて、駐在員事務所を盛んに開設したが、駐在員にとってゴルフは唯一のスポーツ、娯楽であった。とは言え、グリーンは砂をコールタールで固めたもので、フェアウェイはマットを持ち歩きながら、その上でヒットした、と聞いている。
★確かバーレインは、禁酒国ではなかったはずである。昨今は、アラブ首長国、ドバイに見られるように、豊富なオイルマネーに支えられ、近代的な街作りが行われているが、当時は何もない時代だった。
★駐在員事務所と連携して、サウジアラビアの金融庁にロンドンから資金調達に通ったが、突然のラマダン（断食）・シーズンでアポイントメント・キャンセルの悲劇もあった。月の動きを見て、ある日突然に断食シーズンが始まるのには参ったものである。
［アフリカ］
★アフリカの産油国、ナイジェリアとは、融資関係でかなり付き合いがあり、ロンドンにあるナイジェリア大使館のパーティーにも幾度か招待されたが、ゴルフの話題は皆無であった。赤道に近いところなので、ゴルフどころではないのだろう。
★何分にも黒人の皆さんの中で、黄色人が変な目立ち方をした記憶がある。ロンドン駐在のある大手商社のシングル・プレーヤー氏によると、ジンバブエの高原には、立派なゴルフ場があるとの話であった。南アフリカには行ったことがないが、元来イギリス人が開発した国でもあり、ゲーリー・プレーヤーとかエルス・グーセンのようなアメリカ・プロゴルフ界で活躍している選手たちを見ると、ゴルフの盛んな国柄なのだろう。
★北アフリカのモロッコ共和国のタンジェールを訪れたことがあるが、カスバの街であり、ゴルフの雰囲気は全く感じられなかった。同じ地中海沿岸のチュニジア、リビアも同様だろう。
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［ヨーロッパ］
★ヨーロッパでは、前述の通りベルギーのゲント市の近郊で一度プレーしたのみである。ドイツ人バンカーとよく会食したが、彼らの話題はサッカーデであり、ゴルフは盛んではないようだ。会食時にゴルフを話題にしたところ、妙な顔をされた記憶がある。プロのヘルベルト・ランガー選手なんかは、例外なのだろう。
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★スペイン、フランスは、ゴルフが盛んである。パリ郊外で日系企業がゴルフ場を開設しようとしたときの難題は、風呂場施設であった。欧米のゴルフ場はシャワー・ルームが一般的であり、衛生面からか、風呂は原則認められていない。このゴルフ場は、例外的に認められたようである。
★スペインは、バレストロス、ガルシアほか有名プトゴルファーを出しているが、私はプレーしたことはない。親日的な国であり、高速道路とか電力施設などの建設資金を日系金融機関から多額に調達している国でもある。
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★イタリーは、ビジネスやゴルフではなく、観光で何度か訪れた。下の写真は、家族でヴェニスに出かけたときのものである。陽気な船頭（ゴンドリエ）の歌声をバックにゴンドラを貸し切り、クリークを回遊していたら、橋の上から懐かしい日本語で「すみませーん。そのゴンドラは、どこに行けば貸し切りで乗れるのですか」と声をかけられ、びっくりした。
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★そう言えば、北アフリカのモロッコには、家内と長男が高校受験で日本に一時帰国したので、正月に長女と次男の三人でスペイン経由、船でアフリカに渡ったときの国である。同じ船に東洋人の団体客が、どやどやと乗ってきたので、どこから来たのか尋ねたところ、「日本から」との返事に大変驚いた。１９８０年代の前半でも、日本人の海外旅行ブームは始まっていたのだ。
★北欧は、出張で何回か訪れたが、ゴルフの経験はない。日照時間、シーズンも短い北ヨーロッパで、アメリカの女子プロで活躍しているスエーデンのアニカ・ソレンスタム選手らは、どこで腕を磨いたのだろうか。これと逆にシンガポールのように湿度の高い所では、早朝とか夕刻のゴルフが一般的である。
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| スエーデン・ストックフォルム市 |
★以上、思い出すままに書きましたが、プレーしたゴルフ場は、再び機会があれば再訪したいコースばかりです。プレーは、通常セルフが一般的なので、自分用の小型の折り畳み式ゴルフ・カートを車に乗せ、コースに出ました。時には、池に落ちたボールを拾う棒を持って。
★出張時には、クラブは貸しクラブでしたが、靴だけは軽いシューズを常に持ち歩いていました。歳とともに着実にスコアは悪くなっておりますので、果たしていくらで回れることでしょうか。
★閲覧をいただき、ありがとうございました。 （小川浩史 ２００９．５．２０．）
♪ＢＧＭ：Ｃｈｏｐｉｎ［Ｎｏｃｔｕｒｎｅ８］arranged by Pian♪